202302053 初心者クエスト 不可欠彩度レルム 不可欠彩度レルム 第2部 不可欠彩度レルム 第2部 2 - 不可欠彩度レルム-1 不可欠彩度レルム 第2部-1 不可欠彩度レルム 第2部-1 戦闘後
一方その頃、タワー内部では 変わらず助けをただ待つだけの 不安に満ちた時間が流れていた…
【ダモクレス】 みんな元気がなくなってる… でも、愛さえあれば 恐いことなんてないよね!
【ダモクレス】 ねぇねぇ!
【女1】 …あぁ、ダモクレスさん どうかしたの?
【ダモクレス】 あのね――
ダモクレスは人々へ声を掛け続け 辛い状況下にいる全員を 励まそうと努めていた
【ダモクレス】 ――それでね、えぇと…
【女1】 ははは…
【男1】 ダモクレスさん そろそろその人を休ませてあげよう ずっと話していたら疲れてしまう
【ダモクレス】 わ、ごめんなさい! クレスってばいっぱい話しちゃった!
【女1】 いいんですよ けど…そうですね 少し休ませてもらいますね
【ダモクレス】 …………
【ダモクレス】 話はしてくれるんだけど… やっぱり元気はないみたい クレスはどうしたらいいのかな…
【ダモクレス】 ――あれ、向こうの人たち 何してるんだろう?
ダモクレスが気付いたのは 自分達と同じようにキル姫を 中心とした人々の集団
【ダモクレス】 なんだか、雰囲気が違う?
その集団の中心にいたキル姫は…
【プタハ】 大丈夫だ そなたらには我がついている
【ダモクレス】 あっ、プタハだ! おーい!
【プタハ】 む…おお、ダモクレスか
【ダモクレス】 プタハも 巻き込まれちゃったんだね… 大変だったでしょ?
【プタハ】 このくらいで弱音は言ってられぬ
【プタハ】 しかし…下のフロアから 逃げ遅れた人々を探しながら来たが ここで足止めのようだな
【ダモクレス】 うん…ここから先は 上に行けない訳じゃないんだけど…
【プタハ】 皆を連れていくのは難しい、か 恐らく救助の者達も同じことを 考えているだろうな…
【プタハ】 そして、そんな状況が 皆を疲弊させてしまっている
【ダモクレス】 そうだね… でも、愛があれば大丈夫だよ ってみんなを励ましてるんだ!
【プタハ】 愛があれば、か… 愛の伝道師らしい心の強さだな
【ダモクレス】 …けど、なんだか 上手くいってない気がしてて、さ
【プタハ】 ふむ…そなたがそのように 落ち込んだ雰囲気なのは意外だな
【ダモクレス】 わわっ、そんな風に見えちゃった!?
【ダモクレス】 クレスが伝えるのは愛なんだから しょんぼりしてたらダメだよね! 笑顔笑顔~♪
【ダモクレス】 あ、と、そうじゃなくて プタハに提案があるんだけど…
【ダモクレス】 クレス達もプタハのところに 合流してもいいかな…?
【ダモクレス】 プタハと一緒の人達みんな この状況でも落ち着いてるのは きっとプタハのおかげ…
【ダモクレス】 プタハにお願いできれば クレスもクレスにできることが きっとあるはずだから――
【プタハ】 もちろん大歓迎だ キル姫がふたりのほうが いろいろと助かるし、それに…
【ダモクレス】 …それに?
【プタハ】 そなたの明るさは我にはないものだ 共にいてくれるというのなら これほど心強いものはないぞ
【ダモクレス】 …………
【プタハ】 ど、どうしたのだ
【ダモクレス】 プタハぁ~~~! ありがと~!!
【プタハ】 …なるほど、そなたも大変だったな 共にいればその辛さも 分け合えるというものだ
こうしてダモクレス達は プタハ達と合流することとなった
…だが、それ以上の変化はなく またすぐに重い空気が一同を包む
【ダモクレス】 ――愛が希望になるんだよ! だからみんなもこのピンチを 愛の力で乗り越えよう!
【男2】 …あ、ああ
そんな中でもダモクレスは 変わらず愛を説くことで 周囲を励まそうとしていた
【ダモクレス】 プタハのおかげでみんな 少し落ち着いたみたいだけど…
【ダモクレス】 それでも、クレスの話は 上滑りしちゃってる感じがする…
【プタハ】 ダモクレスの話の真似ではないが 愛、何かを信じる心は強い力になる それはどんな状況下においてもだ
【プタハ】 我もできる限りのことはする と皆に約束しよう
【プタハ】 大船…とは言えないが 決して沈まぬ船に乗った気持ちで この危機という航海を乗り越えよう
プタハの言葉に人々は 静かに励まされ、危難に対しての 士気を高めているように感じられた
【ダモクレス】 プタハ…すごいなぁ クレスの話だけだと こうはならないんだよなぁ…
その瞬間――
【ダモクレス】 わわっ! とうとう崩れ始めちゃった!?
【プタハ】 いや…違う、あれは!
【パンドラ】 …抜けたようね ね、どうにかなるって言ったでしょう
【マクリル】 どうにか…なったけど それを認めたくない時ってあるよ…
【男1】 お、おおお…! このふたり、上から来たよな!?
【女2】 やっと助けが来たのね!
【パンドラ】 …なるほど ここにも逃げ遅れた人がいるのね
【女1】 あなた達、救助に来てくれたのよね?
【マクリル】 あ、えっと、ごめんなさい…
【男2】 …どういうことだ?
【パンドラ】 私達は救助に来た訳ではないの それに、キル姫ならまだしも 人が脱出に使える道はなかったわ
かすかに湧いた希望は すぐに失望へと変貌してしまった
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