202308060 限定クエスト 未分類 ウルズの泉と過ごす日々 後編 ストーリー ウルズの泉と過ごす日々 後編 ストーリー 12 - ウルズの泉と過ごす日々-ED ウルズの泉と過ごす日々-ED ウルズの泉と過ごす日々-ED
あちらと同じ風景 しかしこちらには自分と世界樹だけ
今まで通り、元通り ウルズの日常は返ってきた
【ウルズ】
…………
ウルズもまた元通り ユグドラシルの世話に明け暮れる
【ウルズ】
すべて、終わった
達成感はあった
何故ならば元通りどころか ウルズは自分の使命を知り それを成すことができたから
【ウルズ】
大丈夫です、ユグドラシル
孤独から救うべき
ティルフィング様はもういないんです
【ウルズ】
もう何も憂いはないのです
【ウルズ】
ないはずなんです…
ウルズはユグドラシルを見上げる
【ウルズ】
喜んでいますか？
難しいことはわからないけど 悪い状態がよくなったら嬉しいって 思うんじゃないかな、と笑うマスター
【ウルズ】
…意思なき意志とは
そういった感情とは無関係で――
【ウルズ】
――いえ、そうですね
【ウルズ】
ユグドラシルが嬉しく思うのなら
私にとってもそれは嬉しいことです
【ウルズ】
…これも今まで通り
意思なき意志は感じられない
ウルズはすべてを諦めたように ユグドラシルの世話を再開する
【ウルズ】
あっ
その時、ウルズの耳元から 落ちる物があった
それは、不本意だけれど お揃いになった貝殻のイヤリング
せっかくだから と身に付けていたお揃いのイヤリング
孤独すら知らず ユグドラシルのそばで ひとり過ごしてきたウルズ
【ウルズ】
ああ、だから私は
ティルフィング様の気持ちが
わからず、答えに辿り着けなかった
【ウルズ】
マスター様、ティルフィング様
ミーミル、キル姫の皆…
【ウルズ】
皆さんがいて初めて
私はこの感情に納得できた
絵に欠けていた何かのように 胸にぽっかりと穴が開いたような 不愉快な感覚
【ウルズ】
寂しい…………
ミーミルを想い イヤリングを握りしめるウルズ
【ウルズ】
この感覚…
ウルズはふとユグドラシルを見上げる
【ウルズ】
ユグドラシルも同じ感覚を…？
ウルズは初めてユグドラシルの 意思なき意志…いや、声を聴いた ような感覚を抱く
【ウルズ】
え…？
手元のイヤリングに視線を戻す
【ウルズ】
ミーミルの声が聞こえたような…
しかし、それは寂しいと思った 自分自身が起こした幻聴
【ウルズ】
聞こえるはずが――
【ミーミル】 ウルズさん！
【ウルズ】
ミーミル！？
【ミーミル】 よかった、聞こえるのですね
【ミーミル】 ウルズさんの寂しいっていう 声が聞こえた気がして… 呼びかけてみて大正解でした！
【ウルズ】
でも、これ、どうして
【ミーミル】 ウルズさん！ こちらへ！
脈絡のない呼びかけだった
けれど、ウルズは ミーミルの手を取るように その声に従った
【ミーミル】 ウルズさん！ よかった…
【ウルズ】
ここは…
【ティルフィング】
おかえりなさい、ウルズ
【ウルズ】
ティルフィング様
それじゃここは…
【ウルズ】
そうだ、ティルフィング様！
ウルズは再会を喜ぶ前に ティルフィングに大事なことを伝える
【ウルズ】
ユグドラシルの意思なき意志が
私に聞こえたのです
寂しい、と…
【ティルフィング】
…………
驚きで言葉の出ないティルフィング
【ティルフィング】
ユグドラシルが、寂しいと…
でも一体どうしたら…
【パンドラ】
何を考えることがあるの？
ティルフィングの時も上手く
行ったんだから、同じでしょう？
【ミーミル＆ウルズ】 え？
顔を見合わせたふたりは ユグドラシルの外へと駆けていく
そこには、泉が拡がっていた
【フラベルム】
やっぱりウルズも戻ってきたのね
後始末で残っていたらこのザマです
【フラベルム】
リゾートを再開しないと
愚痴愚痴言われますね
…という愚痴を言いながら なんだか満足そうなフラベルムだった
【フラベルム】
こっちみてニヤつくのやめてください
【フラベルム】
この泉の清浄なる空気も穢れるので
できれば呼吸もやめてくださいね
【フリズスキャールヴ】
…寂しさ、か
【ウルズ】
あ、フリズスキャールヴ…
私アナタに酷いことを…
【フリズスキャールヴ】
気にするな
絵描きにはよくあることじゃ
【フリズスキャールヴ】
しかし、ティルフィングの話を
聞いてもしやと思っていたのじゃが…
【フリズスキャールヴ】
わらわの絵は何かが欠けている訳
ではなかったのかもしれんのう…
【ウルズ】
なら
どうして完成
できなかったのですか…？
【フリズスキャールヴ】
ユグドラシルのことは
よく知っているという驕りが
わらわの目を曇らせた
【フリズスキャールヴ】
あれの寂しいという感情を
理解してやれなかったのじゃろう
そう言ってフリズスキャールは ユグドラシルを慈しむように見つめる
【フリズスキャールヴ】
丁度いい、ふたりも呼んで
ここで過ごすとしよう
フラベルムが訪れたキル姫達の 安全を管理し、パンドラが盛大に遊ぶ
フリズスキャールヴが馴染みの ふたりとウルズの泉で過ごし その寂しさを癒す
そんな日々がすぐに訪れる ウルズはそう感じたのだった
【ウルズ】
…………
【ミーミル】 どうしました？
【ウルズ】
私は最後の最後でユグドラシル
ではなく自分の想いを優先したのだ
と気付き、反省しているのです
【ティルフィング】
でも、そのおかげで
私達はユグドラシルの想いを知り
こうして過ごしていられるのです
【ティルフィング】
ユグドラシルを
もう寂しいと思わせないで済むんです
【ウルズ】
ティルフィング様…
【マナナン】 それにしても、寂しいだなんて ウルズも甘えん坊だね？ やっぱり妹みたいだね？
【マクリル】 それを言うならミーミルも ずっと落ち込んでめそめそして 姉っぽくはなかったかも？
【ミーミル＆ウルズ】 姉は私ですよ？
と、どちらが姉か論争に まだ終焉の時は訪れそうになかった
【ウルズ】
これからティルフィング様のそばで
新たな世界とユグドラシルを支える
【ウルズ】
それが私の新たな使命です
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