210131101 パラケルスス 並べられた理屈
【パラケルスス】
む…、これは――
浜辺を散歩していたマスターは しゃがみこんで何かをじっと 観察しているパラケルススを見かける
近づいて声をかけると――
【パラケルスス】
な、なんだね…。
わたくしは今、波の動きについて
流体力学的な考察を加えているのだ
【パラケルスス】
研究の邪魔をしないでくれないか
良かったら一緒に遊びたいと 思ったんだけど、とマスター
パラケルススは 一瞬、表情を緩めたものの―
【パラケルスス】
わたくしは今
非常に興味深いものを見つけ
探究心が沸き立ってるんだ
【パラケルスス】
わたくしに遊びに浪費する時間はない
そもそも遊ぶという行為自体
なんの興味もわかない、虚ろな…
ぐちぐちと理屈を並べ始める彼女に マスターはどうやって誘おうか と悩んでしまう
【パラケルスス】
それに…
わたくしと一緒に遊んだところで
君は楽しくないだろう…
そう言って 彼女は走り去ってしまう
パラケルススの表情が どこかさみしげだったのが気になり マスターは後を追うことにする
Next: 210131102