Phantom of the Kill

Story scripts of Phantom of the Kill (ファントム オブ キル)

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210751030 インテグラルノア編サイド インテグラルノア サイドストーリー インテグラルノア編サイドストーリー「やがて大樹の姫巫女達よ-前編-」 第1話 射抜く者 3 - 射抜く者-3 射抜く者-3 射抜く者-3

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【町人】 へい、らっしゃい! おや?あんたキル姫かい? この辺じゃ見ない顔だね

5402011.png 【ヒョウハ】 まあね おじさん、これとこれ、 それと…そっちのも

【町人】 まいど! そういや、ちょっと前に森で 化け物に襲われたんだよ

5402011.png 【ヒョウハ】 知ってるよ、おじさん 数日前、あんたを助けたのは あたしだ

5402011.png 【ヒョウハ】 それだけじゃない 買い出しのときは大抵、この店で 買い物をするんだ

5402011.png 【ヒョウハ】 それに、この町の人達のことは だいたい知ってる けっこう長く住んでるから

5402011.png 【ヒョウハ】 町の外れにあたしの家があるんだよ あんたらは…覚えてないだろうけど…

【町人】 …でなあ スイハに助けてもらったんだよ ありゃ、すごいなあ

5402011.png 【ヒョウハ】 そうだね それじゃ!

5402011.png 【ヒョウハ】 あたしには「呪い」がかけられてる どんな呪いかっていうと…

5402011.png 【ヒョウハ】 他人の記憶から、すっぽり抜け落ちて しまうっていう呪いだ

5402011.png 【ヒョウハ】 細かく調べたわけじゃないけど、 どうやらみんな、あたしのことは 一晩経つと忘れてしまう

5402011.png 【ヒョウハ】 一体どうしてそんな呪いをかけられて いるのか 誰がこの呪いをかけたのか

5402011.png 【ヒョウハ】 そんなのは全く分からない

5402011.png 【ヒョウハ】 初めはひどく戸惑ったし、 どうにかして呪いを解こうと したこともある

5402011.png 【ヒョウハ】 でも、無理だった… 少なくともあたしの手に負える ものじゃなかったんだ

5402011.png 【ヒョウハ】 だけど、一つだけ確かなことは その呪いの効果が最近になって 徐々に薄まりつつあるということだ

5402011.png 【ヒョウハ】 以前までは、すぐにでも あたしの存在は忘れられていた

5402011.png 【ヒョウハ】 だけど、最近は 次の朝日が昇るまで、あたしの ことを覚えている人も出てきた

5402011.png 【ヒョウハ】 まあ、忘れられることには 変わりないんだけど

5402011.png 【ヒョウハ】 この呪いが何なのか、どうして 最近になって急に変化が起きたのか あたしにはそれを知る由もない

5402011.png 【ヒョウハ】 そして、呪いが薄まると同時に 変わったことがある

5402011.png 【ヒョウハ】 それは、頭の中に響いてくる 謎の声

5402011.png 【ヒョウハ】 まるであたしを呼ぶような そんな声が、最近は特に 強く聴こえるようになった

5402011.png 【ヒョウハ】 あとは、あたしの中で ある感覚が強まったこと

5402011.png 【ヒョウハ】 それは使命感みたいなもので あたしは世界の ために戦わなくちゃならない

5402011.png 【ヒョウハ】 いつからか、まるで生まれた時から それが当たり前だったかのように そう、強く思うようになっていた

5402011.png 【ヒョウハ】 その感情がいったいどこからくるのか この呪いと関係があるものなのか あたしには分からないことだらけだ

5402011.png 【ヒョウハ】 もっと呪いや魔術に詳しい人に 調べてもらうしかないんだろうけど…

5402011.png 【ヒョウハ】 頼んだ相手が、次の日にはあたしの ことを忘れてしまうんだ 進展なんてあるわけがない

5402011.png 【ヒョウハ】 本当は、忘れられる度に思い知る 所詮、あたしは誰の記憶にも 残らないちっぽけな存在なんだって

5402011.png 【ヒョウハ】 だけど、そんなことを気にしても 呪いが解けるわけでもないからさ

5402011.png 【ヒョウハ】 そのうち、あたしは気にしないよう 心がけることにした

5402011.png 【ヒョウハ】 誰にも覚えてもらえなくても、 あたしはあたしの為すべきことを 為せば良い

5402011.png 【ヒョウハ】 こないだのように、時折、現れる 異族を倒して人々の生活を守る

5402011.png 【ヒョウハ】 それが、あたしの使命なんだ

5402011.png 【ヒョウハ】 …そう、割り切ったはずなのに、 一つだけ、どうしても胸の中が モヤモヤすることがある

5402011.png 【ヒョウハ】 スイハ…

5402011.png 【ヒョウハ】 あたしと一緒に扱われることもある キラーズ…それを持つキル姫…

5402011.png 【ヒョウハ】 みんなの尊敬を集める エンシェントキラーズの一人

5402011.png 【ヒョウハ】 あいつにはあいつの運命があって 生き方がある あたしとは違う背負うべき使命が

5402011.png 【ヒョウハ】 遠巻きにだけど、弓の腕前を 見たこともある 正直、すごいと思った

5402011.png 【ヒョウハ】 だから…気にしたって しょうがないんだ あたしはあたし、あいつはあいつ

5402011.png 【ヒョウハ】 それなのに… どっかで何かが割り切れてない…

5402011.png 【ヒョウハ】 はぁ… あたし、鍛錬が足りないな… 乱れてばっかだよ

5402011.png 【ヒョウハ】 自分の気持ちさえ分からないのに 世界を救おうだなんて使命感 抱えてさ…笑っちゃうよな

5402011.png 【ヒョウハ】 それでも、やらなくちゃダメなんだ それがあたしの使命―― 生まれた理由なんだろうから

5402011.png 【ヒョウハ】 よし! 気分転換を兼ねて、少し遠出――

5402011.png 【ヒョウハ】 うおっと!? ごめん…!

401021.png 【アバリス】 いえ…こちらこそ…

5402011.png 【ヒョウハ】 あ…誰かと思えばアバリスか…

401021.png 【アバリス】 …ごめんなさい 私、影が薄いので…

5402011.png 【ヒョウハ】 あたしがボーッとしてたから いけないんだ

5402011.png 【ヒョウハ】 それに、影の薄さなんて気にするな! 隠密行動に向いてると思えば いいんだよっ

401021.png 【アバリス】 そうですね… それでは、失礼します…

5402011.png 【ヒョウハ】 今ひとつフォローできてなかった かな?

5402011.png 【ヒョウハ】 アバリスの影の薄さは知ってたけど あたしに比べれば…

5402011.png 【ヒョウハ】 …って、あたしまで暗くなっちゃ ダメだ! 気合い入れ直して――

【町人】 キャアアアア…!?

5402011.png 【ヒョウハ】 今度は何だよ!? まさか、異族かっ!?

【町人】 まただっ… これで三人目だぞっ…

【町人】 何が起きているんだ…!?

5402011.png 【ヒョウハ】 ん? 人だかりができてるな

【奏官】 ええい、散れ!散れ! 現場に近づくな!

【傷ついた奏官】 ううっ…

5402011.png 【ヒョウハ】 あれは… こないだ梓弓と一緒にいた奏官っ?

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