210901020 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第8章 ビギニング・オブ・ジ・エンド 第１話 キル姫の治める町-2
【ヴァリン】
世界の“終焉”を予測してる
データは別に保管してあるから
確認しなさい
【ヴァリン】
今は、あんたが覚えてるって
前提で話を進めるから
【アルマス】 どういうことよ…？ 世界が終わりそうになってるとか… とても信じられない…
【アルマス】 でも…それがティルフィング達の 行動の理由だとしたら…
【ヴァリン】
いい、アルマス
ユグドラシルは膨大なマナを
消失し続けているの
【ヴァリン】
原因は幾つもあるんだけど、
最大の要因と考えられるのは
バイブスとキラーズの増加ね
【ヴァリン】
どちらもマナの亜種だから、
元々はユグドラシルに蓄えられ
世界を構築する源だったものよ
【ヴァリン】
ただ、神器がもたらされた折、
それらがキラーズとバイブスとして
分かれて存在するようになったの
【ヴァリン】
そこまでだったら問題はなかった
んだけど…
【ヴァリン】
転機になったのは、天上世界に
キル姫が上ったときね
【ヴァリン】
彼女達は無数のイミテーションに
分かれてしまったわ
そして…
【ヴァリン】
たった一人のオリジナルに戻る
ことなく、地上に降りてしまった
そうなると、どうなると思う？
【アルマス】 どうなるって… キラーズが増えるってことでしょ？
【ヴァリン】
キラーズが増えるのは当然
でも、キラーズとバイブスは一つの
マナが分かれたものなの
【ヴァリン】
キラーズだけが急激に増加するなんて
本来、成り立たない
だから、ユグドラシルは…
【ヴァリン】
強制的に、キラーズと釣り合うだけの
量のバイブスを世界に放出させられた
【ヴァリン】
ここで急激にユグドラシル内部の
マナが減少してるわ…
そして、まずいことに…
【ヴァリン】
膨大なマナを消費する行為が
頻繁に行われるようになった
何か、分かるわよね？
【アルマス】 奏官同士の、争い…？
【ヴァリン】
戦争はエネルギーを大量に浪費する
行為なの…つまりマナを浪費する
マナの源はどこ？
【ヴァリン】
ユグドラシルよ
今もそうだけど、今後、戦いは
更に激しさを増すでしょうね…
【ヴァリン】
私の予測だと、
ユグドラシルの限界点は…
【ヴァリン】
って！
そんな不安煽ってばかりいても
しょうがないのよ！
【ヴァリン】
とにかく！
ユグドラシルにはマナが足りないの
だったらマナを補充すればいいわ
【アルマス】 それは…コマンドキラーズが やろうとしてることなんじゃ…
【ヴァリン】
もちろん、奏官やキル姫を皆殺しに
すれば良いなんて乱暴なやり方、
私は認めないっ
【ヴァリン】
ティル達を死なせたりしない！
そんな理不尽な運命、
私は絶対に認めないのっ…
【ヴァリン】
ゼロ達だって、助けられる方法が
見つかったかもしれないんだからっ
【アルマス】 ヴァリン博士… マナを補充する名案があるって ことねっ
【ヴァリン】
アルマス
さっき話したディスラプターと
イミテイトシステム
【ヴァリン】
この二つを組み合わせれば、
キル姫達を生かしたまま、
ユグドラシルにマナを補充できる
【ヴァリン】
構想は完璧！
…のはずよ
【ヴァリン】
…ごめんなさい
はっきり言うわ
私も実行可能か分からない
【ヴァリン】
理論上は可能なのっ
実行できるだけの条件が揃うかどうか
不明瞭なだけで…
【ヴァリン】
正直、私が生きてる間に完成するとは
思えない…
だから、あんたに託すわ
【ヴァリン】
私の代わりに計画を完遂して！
【ヴァリン】
「インテグラルノア」計画は
ラグナロクが「イミテイトシステム」
を使ってみんなと繋がり…
【ヴァリン】
ティルフィングが「ディスラプター」
を使ってみんなを最適化する
【ヴァリン】
その先に、ユグドラシルを、
世界を救う道が拓けるはずなのっ
【ヴァリン】
アルマス、あんたは二人の間を
上手く取り持って二つのシステムを
完全なものにして
【ヴァリン】
私もハリーを仕込んだりしてるけど
所詮、「ハーフ・リーディング・
システム」なの
【ヴァリン】
私の力では、半分までしか導けない
残り半分は、あんたの…
あんた達の絆にかかってるわ！
【ヴァリン】
どう？
少しは自分のやるべきことを
思い出せたかしら？
【ヴァリン】
細かいデータなんかは
デュリンから貰いなさい
ああ、それと…
【ヴァリン】
あんたの個人情報は…
全てが終わるまで閲覧不可よ
ごめんなさいね…
【アルマス】 私が…ラグナロクとティルフィングの 間を取り持つ役割だったの？
【アルマス】 私…思い出せないっ 思い出せないのよっ！ 教えて、ヴァリン博士…！
【アルマス】 私はどうして記憶をなくして しまったの…！？ どうしてっ…
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