220041103 パラシュ 『渚のティーブレイク』
目を覚ますと パラシュが心配そうな目で こちらを覗き込んでいた
【パラシュ】 目が覚めたかい?
【パラシュ】 体の調子はどうかな? 少しは楽になったかい?
不安そうな顔でいる彼女に だいぶ楽になったよと答えて 安心させる
【パラシュ】 そうか…それならいいんだ… 本当に、よかった…
【パラシュ】 いくら理想の力を追い求めても こうして体を壊してしまっては なんの意味もない…
【パラシュ】 それをわかっていたのに ボクは君に 無茶をさせてしまったみたいだ…
【パラシュ】 なにより君を ここまで追い込んだのはボクだ… 本当に…すまない…
謝る彼女に、そこまでしなくても となだめる
それに、パラシュが海を 楽しみたがってたみたいだから と続けるマスター
【パラシュ】 え、海を楽しみたかった? ボクが…かい?
【パラシュ】 だから海の遊びを 特訓にしていたんじゃないかって…
【パラシュ】 あはは…なんだ…バレていたのか…
【パラシュ】 なんだか恥ずかしいものだね 本心を言い当てられるというのは…
【パラシュ】 君の言う通り ボクは海に来て きっとはしゃいでいたんだ…
【パラシュ】 でも、気を抜き過ぎるのも よくないと思ってね…
【パラシュ】 だから特訓と称して 君と一緒に海を満喫しようと そう考えたんだけどね…
【パラシュ】 結果として君を追い込んだことは 否定できない…
悔しそうにするパラシュだけど それだけ海を楽しみにしていたのだ… だからかけるべき言葉は一つだった
【パラシュ】 え…せっかく海に来たんだから もっとしたいことをしていい… 君はそう言うのかい?
【パラシュ】 こんなことになったのに それでも君は、一緒に 楽しんでくれるって言うのかい?
それに頷くと 彼女は目をキラキラさせて 嬉しそうにする
【パラシュ】 ありがとう…そうだね この海に来て ボクもまだまだだとわかったよ
【パラシュ】 今回のことで 周りにも意識を向けることを その大切さを知った…
【パラシュ】 ただがむしゃらに なにかを行うだけじゃ… ダメだったんだ
【パラシュ】 ありがとう、マスター 君のおかげで大切なことに 気づけたよ!
パラシュは心の成長を経て 『渚のティーブレイク』を取得した
【パラシュ】 さぁ、次はなにをしようか? まだまだやりたいことは いっぱいあるけれど…
やる気になるパラシュに もう少しだけ休ませてと 苦笑いするマスター
【パラシュ】 わわっ!ご、ごめん! 今、周りにも意識を向けるって 言ったばかりなのに!
【パラシュ】 え、えっと…それじゃあ…
【パラシュ】 ジュースでも飲むかい? このジュース美味しいし 疲れも癒されると思うよ
【パラシュ】 君に渡すために 持ってきていたんだけど… タイミングを逃してしまってね
【パラシュ】 マスター… はい、どうぞ
彼女が満面の笑みを浮かべながら ジュースを勧めてくるのを見て…
ここに来られてよかった… マスターはそう思うのであった
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