220121102 スラーンド いざ舞台へ
【スラーンド】 もうっ、なんでトラブルって 最悪の形で積み重なるのかしら!
会場に迷い込もうとする異族を 突き穿ちながら スラーンドが嘆息をこぼす
【スラーンド】 なんとか撃退したけど… もう、次の敵襲が来てる…!?
最初に目星をつけていた西端ではなく 東から、無数の異族がひしめきながら この会場を目指していた
幸い、大半の観客たちは催しに熱中し 迫り来る異変にはまだ気付いていない だが―
会場から距離を取っていた 一部の観客たちは異変に 気付き始めている
【スラーンド】 その一部の人たちが騒げば 他の観客もすぐに気付くわ!
【スラーンド】 これだけの人が一斉にパニックを 起こしたら 異族と戦うどころじゃない…!
西と同じく、会場東端はジャングルの 木々が視線を塞ぐため 会場からは一応視線が切れている
とはいえ、そこでしのぎきるには あまりにも異族の数が多すぎた
遠からず、異族は森からあふれ出し 会場へと乱入するだろう
無論、それでも観客に被害を出さず に事を終えることは可能だが―
迫りくる敵を斬り伏せながら スラーンドが焦りをにじませる
【スラーンド】 ヘタをすると 異族から逃げようとする混乱で けが人が出ちゃうわ…!
【スラーンド】 なんとか、観客の気を逸らさないと でも、どうすれば…?
観客、舞台…スラーンドのつぶやきを 聞き、マスターの頭にある考えが閃く それは―
【スラーンド】 私が、演出のフリをして戦う!? で、でも、そんなこと… やったことがないわよ!?
キミになら出来る、力強く頷く マスターに背中を押され、 スラーンドは意を決する
【スラーンド】 …わかったわ。 でも、上手くいかなくても 恨まないでね!
スラーンドの攻撃を逃れ、 一部の異族が会場へと入り込む 途端に上がる悲鳴!
それらの声が伝播し、 やがて会場全体を包むかに見えた その刹那―
スラーンドはひとり、 軽やかに観客たちの前に躍り出た
銀光が瞬き 、無数の異族の影を ひと薙ぎに斬り飛ばす
【スラーンド】 さあ、観客の皆様! 新しいイベントのお目通りよ!
彼女の言葉に、群衆は戸惑いがちな ざわめきを返した
イベント?異族の襲撃ではなく? 目を白黒させる観客を前に 彼女は自信に満ちた笑顔を見せる
【スラーンド】 この私―スラーンドの斧の冴え とくとご覧あれ!
宣言と同時に、スラーンドは 躊躇うことなく迫り来る異族へと 身を飛ばした
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