220121103 スラーンド 『フォーカスザブレイク』
【スラーンド】 ―ハァッ!
スラーンドが敵を叩き伏せるたび、 観客たちの間から歓声が巻き起こる
すでに彼女はこの広場中の視線を 独占し、魅入らせていた
【スラーンド】 ふふっ、 そんな攻撃が私に当たると思って?
舞うように、踊るように続けられた 殺陣は異族を残らず森の奥へと 弾き飛ばす ―
そのド派手な躍動に 会場は一時の恐怖を忘れ 歓声に包まれる
そして会場からすべての異族を 森へと押し返すと スラーンドは優雅に一礼
響く喝采を背景に身をひるがえし 森へとその身を走らせた 人知れず、残敵を掃討するために
【スラーンド】 ふぅ… 一時はどうなるかと思ったけれど、 なんとか暴動は避けられたわね
【スラーンド】 …まあ、私にかかれば異族の撃退も 観客のハートを掴むのもお手のものよ
【スラーンド】 …え? この後のイベントにも 参加して欲しい?
マスターがそのことを告げると 一瞬スラーンドの表情が華やぐ
実は、スラーンドが残りの異族を 討伐している間に、イベントの 主催者からお願いがあったのだ
会場を沸かせたあのパフォーマンス ぜひともこの後のイベントに 組み込みたいと
どうやら主催者も、スラーンドの 飛び入り演武に心奪われた者の ひとりだったらしい
【スラーンド】 まあ、当然ね! 私の斧捌きなら、どんな頑迷な観客も 見惚れてしまうに決まってるもの
【スラーンド】 もちろん、オーケーよ 私がこのイベントを最高に 盛り上げてみせるわ!
スラーンドは意気揚々と、 再び観客の前に姿を現す だが―
【スラーンド】 …ッ!
周囲から一斉に視線を受け 彼女の背が小さく震える。大きな期待 の籠った視線が、その身に突き刺さる
【スラーンド】 なん、で… さっきはなんでもなかったのに
【スラーンド】 やだ…足が震えて…
選択肢:
- そのままの自分でいい → select_label_01へ
- さっきの戦いを思い出して → select_label_02へ
- キミは十分に魅力的だ → select_label_03へ
やだ…足が震えて…
select_label_01:
【スラーンド】 私の、ままで…?
select_label_02:
【スラーンド】 さっきの、戦い…
select_label_03:
【スラーンド】 ま、マスター…!
select_label_end:
【スラーンド】 そう、ね…
【スラーンド】 私は本当は臆病で、 いつもの態度は虚勢で― でも!
【スラーンド】 マスターが見ていてくれるのなら 大丈夫
【スラーンド】 君さえ信じてくれるのなら 私はどんな場所でだって 絢爛に咲くことができる―
【スラーンド】 この程度のプレッシャーで、 私は潰れたりしないわ
気合いと共に、 観客の前に出るスラーンド
最初はぎこちなく、 けれど次第に流麗に
振るう斧は光を受け、神秘的に輝く 足取りは軽やかで、それは戦場とは 違う華美なものだったが―
【スラーンド】 なんだろう…力が溢れてくる? いえ、これは…自信
【スラーンド】 そっか、私は…私に必要だったのは!
スラーンドが力強く、斧を回す 同時に歓声が巻き起こり そのたびに力強さが増していく
【スラーンド】 この動きは、戦いとしてはムダ でも、大切なのは―私らしさ
【スラーンド】 私が信じれば、私の身体は…! この斧は! 応えてくれる だから―
スラーンドが一転、力強く踏み込む 同時に彼女の身体から光が溢れ―
【スラーンド】 この高揚を、この一撃を 私は『フォーカスザブレイク』と そう名付けるわ!
【スラーンド】 さあ、フィナーレよ!!
轟音と共に、 その一撃が大地を震わせる
同時に、会場は これまで以上の歓声に包まれた―
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