220121104 スラーンド 『ジャングル連合の絆』
後日、スラーンドとマスターは 今は閑散とした催しの場を訪れていた
【スラーンド】 …終わってみると、寂しい景色ね
【スラーンド】 でも、私は覚えてる あの時の高揚。あの時の歓声 そして―
【スラーンド】 あの時の、マスターの手の温かさを
【スラーンド】 …命を懸けるよりも 緊張する戦いがあるとは 思わなかったわ
【スラーンド】 でも、そんな押し潰されるような 重圧の中で、マスターの声だけは はっきりと聞こえた…
【スラーンド】 私が強く在れるのは きっとマスターのお陰
【スラーンド】 あの時の君の言葉が 今もこの胸に響いてるの
【スラーンド】 この想いがある限り この記憶がある限り 私は、いつでも咲き誇れる
【スラーンド】 まだ見ぬ未知の恐怖が私を襲っても この暖かささえあれば― きっと大丈夫
そのとき不意に スラーンドの身体から光があふれる
それは新スキル 『ジャングル連合の絆』が 彼女に宿った瞬間だった
【スラーンド】 そう、これがその証、 マスターとの絆が紡いだ 私の新しい力―
そう言って、スラーンドは マスターの方に手を差し出した
あの、熱狂の場でしたのと同じように 自信に満ちた笑みを浮かべながら
【スラーンド】 マスター、やっぱり私にとって一番の 観客は君よ だからもう一度、この手を取って
今、ここにはあの日のような 盛大な歓声は影も形もない それでも―
彼女はまさしく今この時こそが、 なににもまして最高の舞台だとでも いうかのように
【スラーンド】 マスター、君のいる場所が 私にとって最高の舞台 だから―
【スラーンド】 君がこの手を取ってくれる 限り、私が敗れることは 決してないわ
【スラーンド】 これは虚勢じゃない 強がりじゃない 間違いなく、私の本心からの気持ち
スラーンドはそこで、あの日の 熱狂を思い出すように 微笑んだのだった
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