230011104 ロンギヌス 『神聖プール王国の誓い』
――翌朝
まだ人気のすくないプールサイドで マスターとロンギヌスが トマト型のボールで遊んでいた
【ロンギヌス】
やっぱり、マスターと
二人なのがいちば――
…あっ！
ロンギヌスはボールを取り損ねる 慌ててボールを追いかけるが プールの前で躊躇した
マスターはどうしたのか尋ねた
【ロンギヌス】
やっぱり水はまだ苦手です…
昨日は無我夢中だったので
飛び込めましたけど、今は…
じゃあ一緒に入れば大丈夫？ とマスターは言った
【ロンギヌス】
マスターと一緒に…ですか？
…それならきっと大丈夫です
そう言いつつも、ロンギヌスは まだプールに入ることを 躊躇している
見かねたマスターは 先にプールへ入り ロンギヌスに手をさしのべた
【ロンギヌス】
マ、マスター…
ありがとうございます
ロンギヌスはマスターの手をとり プールに飛び込んだ 二人でボールを取りにいく
【ロンギヌス】
あぅぅ…もう少し…
ロンギヌスの口は水面から ぎりぎり出ているくらいだった それでもなんとかプールを進んでいく
ボールを取り プールサイドに上がって ロンギヌスは微笑んだ
【ロンギヌス】
…拾えました！
やればできるじゃないか とロンギヌスを褒めるマスター
【ロンギヌス】
…そう…なのかもしれません
わたしでも、勇気を出せば…
【ロンギヌス】
…すぐには無理でも…
いつかわたしも
勇気のある子になれるでしょうか
きっとなれるよ とマスターは言う
【ロンギヌス】
…はい！
それはロンギヌスが 『神聖プール王国の誓い』に 目覚めた瞬間だった
【ロンギヌス】
…でも、
今はマスターがいましたから
ひとりじゃ、きっと無理でした
【ロンギヌス】
だからマスター、
いつかわたしが
勇気のある子になる日まで…
【ロンギヌス】
そばにいて
わたしを支えてくれませんか…？
マスターが当たり前だと頷くと ロンギヌスも笑顔で 頷き返すのだった
Next: 230012201