230071103 ゲイボルグ 『信來疾行突』
ジャングルの中を、 ゲイボルグの姿を捜して さまようマスター
なにか、ゲイボルグの 気に障ることを してしまったのだろうか?
気づかぬうちに、 心ないことでも 言ってしまったのだろうか…
とにかく、 ゲイボルグに謝らなければ…
【ゲイボルグ】 …ううっ! …くっ…!!
マスターの耳に、 苦しそうな声が聞こえる
この声は、 ゲイボルグではないか?
もしや、彼女になにかあったのか? 声のほうへと走るマスター
【ゲイボルグ】 はあっ! やあっ!! たあああああっ!!
マスターが声のする場所につくと、 ゲイボルグが愛槍を手に 一人黙々と特訓をしていた
【ゲイボルグ】 ん?ま…マスター!? どうしてここに…?
【ゲイボルグ】 …むぅ 秘密の特訓を 見られてしまったな
ゲイボルグはそう呟くと、 バツの悪そうな様子で マスターを見た
どうしたのかわけを話して欲しい 自分がなにかやったのならば謝る とマスターが頭を下げると…
【ゲイボルグ】 あ、い、いや、 マスターが謝るようなことは …あると言うか…ないと言うか
【ゲイボルグ】 …実は、かねてより 貴様の弱さ、と言うか、 うかつさが気になっていたのだ
【ゲイボルグ】 私がそばにいることで、 かえって良くないことに なっているのではないかと思ってな
【ゲイボルグ】 だから、別行動を取ることで、 マスターの自主性を促し、 心身を強くして欲しかったのだ
【ゲイボルグ】 そしてその間、 私はこうして秘密特訓を…
そうだったのか、と 安心するマスターに、 ゲイボルグはため息をつく
【ゲイボルグ】 まあ、バレてしまっては 仕方がない…
【ゲイボルグ】 この地は安全であることは 確認してあるし なにかあったら駆けつけられる…
【ゲイボルグ】 だが、『私がいない』ことこそ マスターには大切だと思ったのだ
いきなりなにも言わずに 拒絶されたら悲しいよ と、マスター
【ゲイボルグ】 そ、それは…だな… ああ、申し訳ない…
転びそうなのを助けてもらったり 注意力が足りない自分だけど…
そんな風に気を張らず 自分らしくいられるのも ゲイボルグを信頼しているからなんだ
『私がいない』ことこそなんて 寂しいよ、とマスターは続ける
今までの戦いでも ゲイボルグのおかげで切り抜けて 来られたんだよ
自分は頼りないかもしれないが ゲイボルグを信じる気持ちは 誰より強いんだ、とマスター
【ゲイボルグ】 マスター… そうか、そうかもしれない…
【ゲイボルグ】 私は、自分が思うほど マスターを信じて いなかったのかも知れない
【ゲイボルグ】 そして…マスターは 貴様には…その信じる心が… その強さがあったのだな
【ゲイボルグ】 貴様の強さは、肉体的なものではない 人を信じるその心こそが マスターの強さなのだ…
【ゲイボルグ】 私は強さというものの認識に 偏りがあったのかもしれない
【ゲイボルグ】 私の行動は、間違っていた 猛省しなければならないな…
マスターの本当の強さに 気づいたゲイボルグの心に、 新たな力が湧いてくる…
ゲイボルグは、新たなスキル 『信來疾行突』を 身につけた!
【ゲイボルグ】 こ、これ…は…っ! マスターが私の中から、 新たな強さを引き出してくれたのか!
【ゲイボルグ】 …申し訳なかった、マスター そして、ありがとう
【ゲイボルグ】 この愚かな私をどうか許して欲しい そして…これからも… よろしく頼む!
これから先は、なんでも話し合える 関係になりたいね、とマスター
【ゲイボルグ】 そうだな… これからは心を開き… なんでも話すようにする
【ゲイボルグ】 貴様とは… そういう関係になりたい 私は…心からそう思う
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