230341211 グランテピエ・獣刻・バハムート 心配性なお姉さん
夏――
プールにやってきたマスターの隊
姫達は泳いだり、肌を焼いたり、 トロピカルドリンクを飲んだりと、 みんな思い思いに楽しんでいる
そんな姫達を見ながら、 かき氷を食べているマスター
一口目を口に入れようとした、 その時――
ピピ~ッ!と、笛の音が鳴り響いた
【グランテピエ】 ほ~ら、メッ、だよ
笑顔でマスターのかき氷を 取り上げたのは、グランテピエだった
【グランテピエ】 これ、もう3個目でしょ?
【グランテピエ】 楽しくて浮かれちゃうのは 分かるけれど、
【グランテピエ】 そんなに一気に食べると、 お腹壊しちゃうんだから
まるで、お姉さんのように、 優しい口調でたしなめる彼女
マスターも、 ごめんなさい…と照れ臭そうに、 頭を掻いている
【グランテピエ】 うん、わかればよろしい ふふ じゃ、楽しんでらっしゃい
得意げな表情をした後、 そう言って、マスターを送り出す
そして、プールサイドに置かれた 背の高い椅子に座り、 姫達に向かって言う
【グランテピエ】 みんな~、 あんまり羽目を外し過ぎちゃ ダメ、だよ~~~
まるでプールの監視員さんのように、 みんなを見守っているグランテピエ
そんな彼女に、 は~い! と、笑顔で手を振る姫達
みんな、 グランテピエがいることで、 安心して遊んでいるようだ
そんな彼女に、 声を掛けるマスター
【グランテピエ】 ん?どうしたの? もしかして、ほんとに お腹痛くなっちゃった?
心配そうにのぞき込む彼女に、 マスターは言う
うぅん、この炎天下の中、 ずっと見守ってくれてるけど、 君こそ体調は大丈夫?…と
【グランテピエ】 あれ?心配してくれてるの? 嬉しいな! お姉さん、感激しちゃった
いや… マスターがなにかを言い掛けた時…、
【グランテピエ】 !!
ピィィッ!と突然、笛を吹いた彼女
【グランテピエ】 たぁっ!!
椅子からプールに飛び込む
そして流れるような 美しいフォームで泳ぎ、
溺れそうになっていた 一人の姫を救い出した
【グランテピエ】 足がつっちゃったんだ? 任せておいて、お姉さんが マッサージしてあげるから
プールサイドに上がり、 姫の脚を揉みほぐし、 痙攣を止めたグランテピエ
当の姫は感謝し、 他の姫達も 彼女に賛辞を送る
【グランテピエ】 ふふっ、安心して? みんなのことは、絶対のぜーったいに 私が守ってみせるから、ね?
嬉しそうな笑顔を見せた彼女の元に、 再びやってくるマスター
【グランテピエ】 あ、ごめんね! 話の途中だったよね なんだったっけ?
心配そうに尋ねる彼女に、 マスターは言う
いつも、 みんなを見守ってくれて ありがとう
【グランテピエ】 ううん、いいよ 私がやりたくて、 やっているんだから
でも…せっかく遊びに来たんだし、 君も楽しんだら? と、彼女に言ってあげるマスター
【グランテピエ】 ふふ、そんな、 気を使わなくてもいいの
【グランテピエ】 それに私は、楽しんでいるみんなを 見ているのが楽しいから、ね
【グランテピエ】 ほらほら、いいから マスターも 行ってらっしゃい!
【グランテピエ】 君は人気者なんだから! みんな、待ってるよ
元気にマスターを送り出す彼女
人のことばかり気に掛けて、 自分のことは後回しのグランテピエが 心配なマスターだった
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