240101101 アバリス 聞こえない大声
【アバリス】 あ、マスター!マスター! こっちです、こっちですってば!
何度も呼びかけられた後 マスターは監視台に座る アバリスを発見する
【アバリス】 うぅ…こんなに高いところに 座ってるのに…
【アバリス】 マスター、やっぱり私って、 影が薄いですか…?
そんなところにいると 思わなかっただけ! と、マスターは慌ててフォローする
【アバリス】 ほ、ほんとですか…? それなら仕方ないですね
表情をゆるめるアバリスに マスターは 監視員の仕事なのかと問いかける
【アバリス】 はい、そうなんです 広いプールで事故が起こらないよう ここで目を光らせて監視する…
【アバリス】 私の目の良さが、 戦いではなく人助けに 役に立つのは嬉しいです!
【アバリス】 それにスナイパーとしての力は それだけじゃないんですよ
【アバリス】 動く相手を狙うために相手の、 二手三手先を予測するんです
【アバリス】 例えばあの人、 このプールでは禁止されている 飛び込みをすると思います
アバリスの指さした男は 確かに助走をつけてプールに 飛び込んでいった
【アバリス】 ほら、当たりました!
アバリスの無邪気に喜ぶ姿を見て マスターは思わず苦笑する
禁止事項を破った人は 注意しないといけないのでは…? と指摘するマスター
【アバリス】 あ、そ、そうでした!
【アバリス】 こらー、そこの人! 飛び込みをしたらいけませーん!
しかし、アバリスの声は 男にまったく届かない
仕方ないな、と呟いたマスターは アバリスの代わりに 大声で注意をする
【アバリス】 す、すいません! 私がやらないと いけないことなのに…
得手不得手があるのは仕方ない、と マスターはアバリスをフォローし、 監視員の仕事を手伝う、と申し出た
注意は自分がするから、と 早めの危険察知をアバリスに任せる
【アバリス】 うぅ…すいません ありがとうございます、マスター…
こうして二人で監視員の仕事を することになるのだった
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