240101103 アバリス 『ハートトゥアクア』
プールの監視中に溺れている 子どもを見つけたアバリス
【アバリス】 子どもが溺れていますっ! 誰か助けてあげてください!!
アバリスは必死に叫ぶが、 その声は誰にも届かなかった
【アバリス】 嘘… これでも気付いてもらえないの…?
【アバリス】 …ううん、諦めちゃだめ! やればできるって マスターは言ってくれたもの…!
アバリスは大きく息を吸い グッと下腹部に力を入れた
【アバリス】 誰かっ、あの子を! あの子を助けてあげてくださーい!
それはプール中に響き渡るような とても大きなアバリスの叫びだった
アバリスの声が輝く光の矢となって 四方に広がるように飛んでいく
それこそはアバリスの新しいスキル 『ハートトゥアクア』だった
皆が声に振り向くなか 彼女の声に、誰よりも早く 気付いたのはマスターだった
マスターは子どもへ駆け出し、 腕を掴んで プールサイドに引き上げる
子どもはケホケホとむせていたが、 やがては落ち着き、 元気な姿を取り戻した
そんなマスターの元ヘ アバリスが駆け寄っていく
【アバリス】 マスター、ありがとうございます! 私の声に気付いてくれるなんて…
【アバリス】 私、新しい技を覚えたんです これで私の声も みんなに届けられます
ちゃんと届いたよ、と マスターはアバリスを褒める
【アバリス】 全部マスターのおかげです!
【アバリス】 やればできるかもって マスターが言ってくれたおかげで 自信が持てたんですよ!
アバリスは、 ありがとうございますと 照れたように頬を赤らめて微笑んだ
【アバリス】 私、監視員の仕事、 もっともっと続けてみます!
【アバリス】 存在感のある 監視員さんになれるよう 精一杯、がんばりますね!
そう言い放つアバリスの笑顔は とても輝いて眩しいものだった
Next: 240101104