240191211 フェイルノート・D. plug・ルシファー 憂鬱な休暇
ビーチに若い女性の 黄色い声が飛び交う
休暇中、マスターの隊の姫たちが、 和気あいあいと ビーチバレーを楽しんでいるのだ
――が、
【フェイルノート】 なぜ、この私が 他の者たちと同列でくだらぬ 遊戯に興じねばならないの?
フェイルノートだけはなぜか、 他の姫と共に遊ぶことに 不満を抱いている
【フェイルノート】 ボールを相手の陣に打ち込む あんな遊び、 なにが楽しいのやら
みんなの様子に逐一、 文句を言っている
そんな彼女の元に訪れるマスター
【フェイルノート】 あら、お前様 なにか用かしら?
君も一緒にやってみたら? きっと楽しいよ? とマスターが言うも…
【フェイルノート】 はぁ?
【フェイルノート】 なぜ、この私が?
【フェイルノート】 冗談でしょう?
…と、 上から目線で マスターに語る
元々、人の上に立つ 立場だった彼女
ゆえに、 そのプライドは 非常に高いのだ
【フェイルノート】 いいこと、お前様?
【フェイルノート】 この隊で 最も上位に君臨する姫は、 私よ
【フェイルノート】 他はすべて下
【フェイルノート】 一緒にやりたいのなら、 向こうから声を掛けてくるべきだわ わかったかしら?
その発言には、 他の姫たちも怒り心頭だ
【フェイルノート】 なによ? 本当のことを 言っただけでしょ
【フェイルノート】 実際に私の方が強いし
【フェイルノート】 どうして私が、 謝らなければ いけないのかしら?
決して頭を下げようとしない フェイルノート
結果、 他の姫たちは彼女を見限り、 仲間外れにしてしまう
【フェイルノート】 ………
【フェイルノート】 ふん、なによ
孤立するも、 彼女は意にも介さぬ様子で、 ハンモックで寝始める
そんな彼女に、 再びマスターが声を掛ける
その水着のデザイン、 とても君に似合ってるね…と言うも、 気が立っている彼女は、
【フェイルノート】 はぁ?
【フェイルノート】 それって、私が子供体型… つまり“無駄がない”ってこと? いい度胸ね…謀殺するわよ
と、マスターに食って掛かる
だがマスターは、本当はみんなと 遊びたいんじゃないの? と彼女に尋ねる
【フェイルノート】 ふん、誰が
素直にならないと… さらに続けるマスター
【フェイルノート】 なぁに? 力づくでもやらせようって 言うのかしら?
後悔することになるよ そう言って、 彼女の目を見つめるのだった
【フェイルノート】 …!
【フェイルノート】 ………
【フェイルノート】 ………後悔
マスターのその言葉に、 彼女が初めて物憂げな顔を見せた
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