250011103 ケラウノス 『ロマンスハント』
ナンパが趣味のケラウノスが ナンパするのを我慢し 逆にナンパされるのを待っている
【ケラウノス】 あ、あの子可愛い…
【ケラウノス】 わ、わかってるよ 今はナンパ待ちだもんね! 我慢…我慢…
たしかにケラウノスを見る人は 何人かいるが なかなか話しかけてはこない
怖い顔になっているよ それじゃ話しかけにくいのでは…と マスターは指摘する
【ケラウノス】 そう言われても どうしたらいいかわかんないよ…
少しリラックスした方がいい と言いながら、マスターは ジュースを一杯差し出した
【ケラウノス】 …ん、ありがとうマスター リラックス、リラックスね…
【ケラウノス】 …あ、このジュースおいしい!
先ほどとは違い自然と 笑みを浮かべるケラウノス マスターはこれだと確信する
【ケラウノス】 マスター、どうしたの?
マスターはニッコリしていた方が 話しかけやすいんじゃないかと アドバイスをした
【ケラウノス】 なるほど…確かに笑顔は大事よね 私も笑顔の子だと ナンパが何倍も楽しいって思うし…
【ケラウノス】 さすがマスター、ナイスアドバイス! 私、頑張れそうな気がしてきたよ!
マスターはその調子と励ました後 離れたところから見守ることにした
しばらくすると 誰かやってきたようだ なにか話をしている
【ケラウノス】 え、私? うん。今はひとりだよ ここのジュースおいしいよね
【ケラウノス】 へえ~友達と来てるんだ プールっていいよね
この様子なら大丈夫そうだと マスターは安心した
【ケラウノス】 ただいま! マスターの言う通りにしたら うまくいったよ!
嬉しそうな ケラウノスにマスターは 相槌を打つ
【ケラウノス】 ねえ、マスター 待つのって 力を溜めることと似てるね!
【ケラウノス】 ここぞってときに、自分の力を 爆発させると効果絶大!
【ケラウノス】 抑制させるのはイヤだけど 自分で力をコントロールして 大事な時に力を使うって気持ちいい!
【ケラウノス】 いつもと違うことに挑戦してみて なんだか力がついた気がするの マスター、見ててね
ケラウノスが力を込めると 周囲から光が集まりはじめた
一点に集めた光を 一気に解き放つ
それはまさしく、 彼女が新たなるスキルに 目覚めた瞬間だった
【ケラウノス】 これが私の新しい力 『ロマンスハント』だよ
まさか、ナンパを我慢することで 新しい力に目覚めるなんて…と マスターは驚きつつも感心する
【ケラウノス】 マスター、ちょっとこっちに来て
パラソルの下へと引っ張られる トロピカルドリンクを持って ケラウノスは向かい側へと座った
どうしたのかとマスターは尋ねる
【ケラウノス】 ん? ナンパ待ちだよ
周りを見渡してみるが このあたりには人があまりいない マスターは不思議に思う
【ケラウノス】 ねえ、マスター 私が一番ナンパされたいのって… 誰だかわからない?
マスターを見つめながら ケラウノスは口を少しとんがらせた
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