250061103 メギド 『炎熱の微笑』
【メギド】 あら、どうしたの?
手持無沙汰のメギドは 泣きながら歩く子供に 声をかけた
【メギド】 そう、喉が渇いたの…私と同じね これでよければあげるわ 口はつけてないから、気にしないで
だが、子供はドリンクを受け取らない 飲みたいものはこれではない、と 駄々をこね始める
【メギド】 泣かれても困るのよ 不機嫌になったって、物事が解決する わけではないわ
【メギド】 きちんと気持ちを訴えもしないで 相手に理解してもらおうだなんて 横暴なのよ…あ
【メギド】 私も、同じね… 私も今、同じことをしてしまったわ
そこに、戻ってくるマスター 手にはメギドが飲みたかった ドリンクがあった
【メギド】 おかえりなさい 私、貴方に酷いことを言って しまったみたい
【メギド】 貴方は私のためにドリンクを 選んで買ってきてくれたというのに 私ときたら子供のようなことを…
いいんだ、と笑うマスター
マスターは、この休息をもっと メギドと楽しみたい、と はっきり口にする
【メギド】 それもいいかもね… 無意味だと思っていた今日が 有意義になるかもしれない
【メギド】 実際、貴方と無為に過ごしただけで 私は新しい発見をすることが できたわけだもの
見つめるメギドの瞳から マスターの存在が大きかったことが 伝わってくる
やがてメギドへ 光が集まっていくのを マスターは目の当たりにする
それは新スキル 『炎熱の微笑』を取得した瞬間だった
メギドはプールサイドまで歩いて行く
【メギド】 そう気づけば、悪いものではないわ 嫌いじゃないわよ… 貴方と過ごす些末な時間
【メギド】 貴方が欲しいと言うなら 今日だけ特別に、貴方にあげるわ 私の些末な時間をね
【メギド】 なんだか少し、悔しいわね 揺るがないと思っていた私の 考えが、貴方に塗り替えられた
メギドは恨めしそうに振り返ったが すぐに、ふふ、と笑う
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