Phantom of the Kill

Story scripts of Phantom of the Kill (ファントム オブ キル)

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260031103 テュルソス 『酒豪大虎無双陣』

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2600311.png 【テュルソス】 まったく…せっかくの酒宴が ロクでもないことになったわ

テュルソスとマスターは 異族を蹴散らしたのだが…

2600311.png 【テュルソス】 ちょっと…数が多すぎるでしょ…

ウロから酒を取り出す前に 新手の異族に包囲され 波状攻撃を受けていた

2600311.png 【テュルソス】 くっ…猿酒がこんなに異族を 呼び寄せるなんて 想定外もいいところよ…

テュルソスがいくら撃退しても それ以上の数の異族が 密林から表れ包囲網を埋めていく

それに対抗しようとして戦闘激化 それがさらに異族を 呼び寄せる結果となった

2600311.png 【テュルソス】 このままじゃジリ貧かなぁ…

いつのまにかすぐ背後に お酒を入れた大木があった

後退もできなくなり テュルソスはいよいよ覚悟を決める

疲労からか、さすがのテュルソスも 動きに陰りが見え始め そう長くは持たないのは明白だった

2600311.png 【テュルソス】 でも、その前に… マスター、猿酒を…

そう呟くと、マスターは 大木のウロから酒壺を取り出す

2600311.png 【テュルソス】 …いい匂い いい感じに仕上がってるね~

異族たちは止めの機会を うかがっているのか じりじりと間合いを詰めてきた

2600311.png 【テュルソス】 …隙を見せないか 敵ながら、なかなかやるわねえ となったら…

異族に視線を向けたまま テュルソスは懐から盃を取り出す

不思議そうな顔をするマスターに テュルソスは盃を差し出す

2600311.png 【テュルソス】 マスターそのお酒 注いでくれないかな

2600311.png 【テュルソス】 ……このままじゃ マスターと一緒に飲む機会 できそうにないから…

異族達の数が増え、包囲網は さらに厚くなっていた

2600311.png 【テュルソス】 やれやれ…これはいわゆる 末期の酒になっちゃうかなぁ~

2600311.png 【テュルソス】 悪いねえ、こんなことに 付き合わせちゃって

2600311.png 【テュルソス】 でも、ま、マスターだけは なんとか逃がすから安心しなよ

明るい口調だが、ほんのわずかにだが 諦めの色があった それがマスターには気に入らなかった

2600311.png 【テュルソス】 あ、ちょっとマスター! なに、勝手に飲んでんの!?

マスターはテュルソスから盃を奪うと 酒を注いで一気に飲み干す

思いのほか強い濃度に 喉を焼かれ、身体が火照る

そして熱くなった胸のうちを そのままぶつける

「弱気になって諦めるなんて らしくない」と

2600311.png 【テュルソス】 んな!? 誰が弱気になってるって?

2600311.png 【テュルソス】 ちょっと疲れたから お酒を飲みたくなっただけ!

それなら、もっと楽しそうに飲もう そう告げてマスターは 盃をテュルソスに渡す

2600311.png 【テュルソス】 そうね これは景気づけの一杯よ! ほら、注いでよ

マスターはそんなテュルソスを信じ その想いを酒に注いだ

2600311.png 【テュルソス】 んんっ…んん~

盃に注がれた酒を ぐっと呑み込むテュルソス

酒精と共にマスターの信頼が テュルソスの身体に 入ってくるようだった

テュルソス自身ですら 最悪の展開を覚悟していたのに

そして、想いと酒精の熱さを 飲み込んだテュルソスの 身体は滾り―

2600311.png 【テュルソス】 むふふ…いいお酒だねえ ここからの私は 止まらないからね~!

そして湧き上がる力を テュルソスは新しい技へと 昇華させたのだった

2600311.png 【テュルソス】 行くよ~! これが マスターからもらった力 『酒豪大虎無双陣』よ!!

新たな力に開眼したテュルソスが 異族を殲滅するのには そう時間はかからなかった

2600311.png 【テュルソス】 さってマスター 邪魔者はいなくなったし もう一杯…つきあってもらおうか?

盃を再び突き出すテュルソス 戦闘の興奮とお酒の両方に 酔ったその顔は赤い

2600311.png 【テュルソス】 んんっ…ふはぁ… こんなおいしいお酒 はじめて…

テュルソスは飲み干した盃を マスターに渡すと 猿酒を盃に注ぐ

2600311.png 【テュルソス】 ね、マスターも飲んで…?

疲労困憊のマスターだったが その盃を断るなんて できるわけがなかった

そうしてマスターは やたらと上機嫌な テュルソスとふたり…

やたらと染みるお酒を 楽しんだのだった

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