260141102 プタハ 戦いのさなかに
プタハの杖が振るわれるたび 異族が苦悶と共に倒れていく
前もって対策をしていたのだろう 大軍を前に、プタハは一歩も 退かずに子供たちを守り切っていた
だが―
【プタハ】 これ、子供たち! 恐れるでない! 無用な恐怖は身の危険を招くぞ!
異族の脅威を間近で見た子供たちが 恐怖から震えあがっていた
いや、ただ震えるならいい だが中には恐れから 逃げ出そうとする子もいて―
【プタハ】 なっ!川に落ちたか! いま助けに―
慌てて川へと向かおうとするプタハ だが迫り来る異族の群れに なかなか動くことができない
【プタハ】 くっ、このままでは…!
プタハの危機感のこもった声 浅いところのため溺れてはいないが 背後には異族が一体迫っていた
それに気付いた瞬間 マスターは駆けだしていた
【プタハ】 マスター、なにを!?
子供を胸に庇い マスターは川べりを転がる 背に走る痛みを今は無視した
【プタハ】 …ッ! マスターッ!!
プタハが、自らに迫る異族の群れを その力で無理矢理打ち払うのが見えた
だが、それも一時のこと すぐに異族たちは包囲の穴を埋め こちらを圧殺しようと迫ってくる
それでも 生まれたわずかな隙を使い プタハがこちらへと駆け寄ってくる
【プタハ】 大丈夫か、マスター! マスター? マスター!?
こちらを追い詰めんと集う異族の群れ ―そして駆け寄ってくるプタハの 余裕のない表情
それらを見ながら… マスターは意識を手放した
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