27700110 海上編 ストーリー7月 プール動乱篇1部 第1幕「禁断のプール」戦闘前
いつかの時間軸、どこかの世界線で…
青い海に浮かぶ常夏の島がある
その名はラグーナ島
キラープリンセスと呼ばれる 少女達が住まう島だ
キラープリンセス それは伝説の武具の名を持ち、 その力を発揮できる存在
生命の根源である“マナ”と
伝説の武具から 抽出される“キラーズ”が 結合することで生まれる者達だ
その美しい見た目とは裏腹に、 一人一人が強大な力を その身に宿している
島内ではキラープリンセス達が 三つの国に別れて暮らしていた
国王ロンギヌスを頂点とし、 上級民と下級民に分けられた 階級差のある国、神聖プール王国
皇帝ダーインスレイヴによる 絶対的統治の下、 強い結束をみせる国、海浜ビーチ帝国
そして先祖代々の土地を受け継いだ ムラマサが治める 自主独立の国、ジャングル連合
他国に対し、穏健な神聖プール王国、 積極的な海浜ビーチ帝国、 保守的なジャングル連合
三国は微妙な力関係で成り立っていた
島で暮らすキラープリンセス達には 一つの制約がある
水に溶け込んでいるマナを定期的に 吸収しなければ、体内のマナが尽きて まともに活動できなくなるのだ
水中のマナは肌から吸収されるので 吸収効率を上げるため、皆、水着姿で 生活している
マナの溶け込んだ水源の確保は、 各国にとって常に最大の関心事だ
水源争いのいざこざは珍しくない ものの、彼女達はそれなりに穏やかな 日々を過ごしていた
海浜ビーチ帝国 皇帝ダーインスレイヴが 三国統一の戦を始めるまでは
ラグーナ島に今、戦乱の嵐が 吹き荒れようとしていた――
これは各々の正義を掲げ、三国統一を 目指したキラープリンセス達の “英雄なき英雄譚”である
これは各々の正義を掲げ、三国統一を 目指したキラープリンセス達の “英雄なき英雄譚”である
これは各々の正義を掲げ、三国統一を 目指したキラープリンセス達の “英雄なき英雄譚”である
これは各々の正義を掲げ、三国統一を 目指したキラープリンセス達の “英雄なき英雄譚”である
これは各々の正義を掲げ、三国統一を 目指したキラープリンセス達の “英雄なき英雄譚”である
プール王国の一画にて――
【アスカロン】 バルムンク、それっ
【バルムンク】 あ、やったねーっ アスカロンにも水かけてやる
【アスカロン】 あははっ 冷たくて気持ち良いね
【グラム】 まったく~、二人ともちゃんと 肩まで浸からないと マナの吸収効率が悪いよっ
【グラム】 水中のマナは肌から吸収されるん だから、足だけ浸けてても あんま意味ないでしょ!
【バルムンク】 だから、こうして 水をかけ合ってるんだよ~ グラムにも、それ!
【グラム】 わっぷ? やったな、こいつ~っ
【ピナーカ】 ほらほら時間だぞぉ! 下級民どもはとっととプールから 出ていきやがれ!
【アスカロン】 あ…もう時間なんだ…
【グラム】 なんだか最近、 補給時間が短くなってない?
【グラム】 いくら私達が下級民だからって 少なすぎるよ
【バルムンク】 ぼやいても仕方ないよ、グラム 怒られる前に出よう
【アスカロン】 そうだね… あれ…?
【バルムンク】 アスカロン!? 大丈夫っ?
【アスカロン】 …ごめん…平気だから…
【グラム】 顔色が悪いよ マナが足りてないんじゃない? もう少し水に入ってた方が…
【ピナーカ】 おい、そこ! さっさと出ていけや オイラは我慢が大嫌いなんだ!
【グラム】 そんな言い方しなくていいでしょ! この子、体調が悪いんだ…
【ピナーカ】 ああん? 下級民が上級民に 楯突こうってのかぁ?
【アスカロン】 やめて、グラム… 私は…大丈夫だから…
【バルムンク】 アスカロン、無理しちゃダメだよっ
【ピナーカ】 歩けねえんだったら、 力尽くで外に放り出してやろうか!
【シタ】 はい、ピナちゃん そのくらいにしてあげましょうよ
【ピナーカ】 ピナちゃん!? …シタ、アンタまたオイラを変な 呼び方しやがってっ…
【シタ】 うふふ 同じ憲兵隊としての愛称ですよ
【シタ】 あなた、大丈夫ですか? プールサイドで少し休んでいっても 良いですよ
【アスカロン】 ありがとうございます… でも、もう平気ですから…
【ピナーカ】 いや、待て! シタの厚意を無下にするこたぁねえ だろ?そこに座れや
【グラム】 …なんなのよ? 出ていけって言ったり 出ていくなって言ったり…
【ピナーカ】 せっかくだから オイラがアンタ達に ためになる話をしてやるぜ
【シタ】 ピナちゃんったら… そんなイジワル言って…
【ピナーカ】 オイラ達にも上級民としての立場って もんがあんだろうが! この国で階級の差は絶対なんだよ!
【ピナーカ】 で、だ アンタ達、この国のプールは全て 誰のもんだ?
【バルムンク】 王様の所有物です…
【ピナーカ】 その通りだ! オイラも含め、国民はみんな王様の プールを使わせてもらってんだ!
【ピナーカ】 その管理を任されてるのが オイラ達上級民で、アンタ達は 王様の温情を受けてるだけの下級民
【ピナーカ】 王様にいつも感謝して、オイラ達の 命令を素直に聞くのが下級民の務め なんだぜ、分かってるか!?
【アスカロン】 はい…すみませんでした…
【シタ】 もう、そのくらいでいいでしょ? 解放してあげましょうよ、ピナちゃん
【ピナーカ】 ったく、シタは甘ぇな… なにかあったらオイラ達が大臣に お仕置きされるんだぜ…
【グラム】 それじゃ、失礼しまーす
【シタ】 はい 気をつけてね~
翌日――
【グラム】 昨日は感じ悪かったわよねー、 ピナーカって上級民
【バルムンク】 そういうこと言っちゃダメだって グラム! 上下の階級差は絶対なんだよ
【グラム】 そのせいで下級民の私達は マナの補給時間が極端に短い 正直、納得いかないわよ
【アスカロン】 私はバルムンクとグラムと一緒に 過ごす毎日がとても幸せだよ
【アスカロン】 少し不便なことがあっても、 三人で仲良く暮らしていられる こんな日々がずっと続いて欲しい…
【バルムンク&グラム】 アスカロン… 私達だって!
【ピナーカ】 おう、そこの下級民 悪いが今日からこのプールは 上級民専用になったぜ
【アスカロン】 えっ…? どういうことですか?
【ピナーカ】 上からのお達しでよぉ ビーチ帝国が戦をおっぱじめたから 戦時体制に変わるんだとよ
【グラム】 そんな!? だったら私達はどこでマナを 補給すればいいのよっ?
【ピナーカ】 オイラに聞くんじゃねえ! アンタら自身でなんとかしなっ どっか…別のプールを探すとかな…
【グラム】 なによ、それ!?あったま来た! 本当、他人って信用できないわよね やってやろうじゃないの!
【バルムンク】 やめてよ、グラムっ… 上級民に逆らったらまずいよ…
【アスカロン】 そうだよ、グラム… 一旦、家に帰って…あ、あれ? 力が…
【バルムンク&グラム】 アスカロン!? しっかりして!
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