290104005 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第2章 エデンクライシス-覚醒- 第1話 風雲!マサムネ城-5
【司会】 紳士淑女の皆様! 長らくお待たせ致しました!
【司会】 これよりマサムネ様主催、 「天上一武闘大会」を開催致します!
【観客達】 オオオオオオオオオオオ!!
【司会】 司会及び実況は、 この私…
【司会】 臨場感・イズ・命!! クルーン・アルルカンが務めさせて いただきます!
【観客達】 ワアアアアアアアアアアア!!
【ラグナロク】 客席は満員ね… 人々の熱気が燃えさかっているわ
【ネス】 天上世界の危機だというのに、 不謹慎ですっ…!
【フライシュッツ】 やっと飲み物買えたよ~ どこの屋台も行列だね~
【ダモクレス】 みんな楽しいことが大好きなんだよ! やっぱり愛だよね♪
【ラグナロク】 ダモクレス!? あなた、何でここにいるの? 参加者なんじゃ…
【ダモクレス】 あ~…えっとね~…
【アルマス】 ふう… 何とか受付に間に合ったわ ダモクレスも急いで!
【ダモクレス】 クレスはこっちで受付するよ! お願~い♪
【受付】 あら、お嬢ちゃん どうしたの? 迷子かしら?
【ダモクレス】 クレスも大会に参加するよ!
【受付】 あらあら、そうなの~ はい、飴上げるから 少し脇にどいててね
【ダモクレス】 やった~! うん、美味しい♪
【スイハ】 あの…ダモクレス…あのっ
【スイハ】 ダモクレスはフードを被ったまま だから、キル姫だって気づかれて ないってこと、教えないと…
【スイハ】 どうしよう… 飴、美味しそうだし… 急かすと悪いかな…でもっ…
【スイハ】 ダモクレス… 早く受付をして下さい…
【ダモクレス】 んん~? スイハ、そんなところでどうしたの? あ!かくれんぼっ?
【ダモクレス】 はい、スイハ捕まえた~♪
【スイハ】 あ…はい… あの…受付を…
【ダモクレス】 受付? あ!そうだった! 大会に参加するよ~っ
【スイハ】 良かった… 思い出してくれた
【受付】 あら、あなた 滑り込みね お名前は?
【ダモクレス】 クレスはダモクレスだよ!
【受付】 お嬢ちゃんじゃなくて、 そっちのキル姫さんのことよ
【スイハ】 えっ…? 私ですか? 私はスイハと申します
【受付】 スイハさんね はい、確かに受けつけました 明日は頑張って下さいね
【スイハ】 えっ…? あの…私じゃなくて…
【受付】 大会の参加受付はこれにて 締めきりま~す
【ダモクレス】 あれ~? クレスじゃなくて、スイハが 参加することになっちゃった
【スイハ】 そんなっ…
【ネス】 何ですか、それは!? そんなの規律違反ですっ 無効ですっ
【ダモクレス】 うんうん 愛さえあれば大丈夫!
【ラグナロク】 待って それでスイハは 出場することにしたの?
【ダモクレス】 うん 責任がどうとか呟いてたよ~
【ラグナロク】 責任って…彼女らしいけど
【フライシュッツ】 スイハちゃん大丈夫かな~… 怪我しないといいけど
【ラグナロク】 私達には見守ることしか できないわ
【司会】 前説・イズ・スタート! 今回、出場するのは八人のキル姫! いずれ劣らぬ猛者揃いです!
【司会】 この八人には一対一のトーナメント 方式で戦っていただき、優勝者が 決まります
【司会】 頂点に立ち、栄冠を勝ち取るキル姫は 果たして誰になるのか! 刮目・イズ・不可欠!
【司会】 それでは早速まいりましょう 一回戦第一試合は、 この組み合わせだ!!
【司会】 静かな佇まいの裏で密かに熱き闘志を 燃やすクールビューティー
【司会】 弓矢・イズ・必中! スイハ!!
【観客隊】 ウオオオオオオオオオオオオ!!
【ラグナロク】 いきなり登場だなんてっ…
【ダモクレス】 行け行け、スイハ~!
【フライシュッツ】 スイハちゃん頑張って~!
【ネス】 皆さん、お静かにっ 節度を守って応援して下さい!
【ラグナロク】 対戦相手は誰? まさか、マサムネ…
【司会】 気高き槍使いの趣味は意外にも 彫刻造り!お供のトンボの名前は ボンちゃん!
【司会】 蜻蛉・イズ・キル! 蜻蛉切!!
【観客達】 イエエエエエエエエエエエ!!
【蜻蛉切】 ちょっと司会者! 何よ、その紹介っ
【司会】 それでは、双方向かい合って
【蜻蛉切】 無視すんな!
【スイハ】 あ…あの…
【蜻蛉切】 何よっ?
【スイハ】 いえ…
【スイハ】 落ち着いて下さいって言おうとした けれど、逆に失礼だったかも…
【蜻蛉切】 はんっ! さすがクールビューティーね 澄ましちゃって
【蜻蛉切】 でも、そなたは今から為す術もなく 我が愛槍に穿たれることになるの 覚悟なさい!
【蜻蛉切】 いざ、尋常に勝負!
【スイハ】 よろしくお願いします
【スイハ】 試合前にきちんと挨拶しておかないと …今ので大丈夫だったかな?
【蜻蛉切】 へぇ~ 堂々と挨拶してくるなんて、 余裕綽々って感じね
【蜻蛉切】 良いじゃない! その余裕がいつまで続くか 楽しみね!
【司会】 それでは、試合開始!
【蜻蛉切】 うりゃああああああ!
【司会】 蜻蛉切が先に仕掛けた! 弓使いのスイハに対し、 一気に間合いを詰める作戦だ!
【スイハ】 ふむふむ 良い判断です それなら!
【司会】 何と!? スイハも前に出たぁっ! これは一体、どういうことだ!?
【蜻蛉切】 わぁっ!
【スイハ】 上手くいきました…
【蜻蛉切】 すごいじゃない! 間合いを詰められたら、 普通は距離を取ろうとするのに
【蜻蛉切】 あえて前に出て私の懐に入った おかげで槍の間合いも外されて しまったわ
【蜻蛉切】 後ろに下がってくれれば、 一撃で終わらせられたのに すごい勇気ね!
【司会】 何ということだぁぁぁっ! 初手から高度な読み合い そして…
【司会】 解説をありがとうございます、 蜻蛉切! 臨場感・イズ・命!
【蜻蛉切】 うるさいわね! 実況は黙ってなさい
【司会】 それでは実況になりませんので 黙りません! さて、スイハの姿が…
【蜻蛉切】 あっ…!?
【司会】 皆様、ご覧頂けるでしょうか 会場のあちこちに設置された遮蔽物を
【司会】 あのどこかに潜み、スイハは 攻撃の機会を窺っています
【スイハ】 …………
【スイハ】 やぁ!
【蜻蛉切】 おっと! そこねっ
【スイハ】 一矢射たらすぐに移動… 常に距離を保って、焦らず着実に 相手を仕留める!
【スイハ】 せいっ!
【蜻蛉切】 今度はこっち!? つぅっ…
【司会】 これは巧みだ、スイハ! 移動と射撃を繰り返し、 蜻蛉切を攪乱しています!
【観客達】 いいぞーっ! いけいけーっ!
【ネス】 スイハらしい手堅い戦い方です これならいけますねっ
【ラグナロク】 どうかしら… 何だか風が騒がしいわ
【ダモクレス】 油断するとあっけなくやられることも あるからね~
【フライシュッツ】 はわわ~… おねーちゃん、見てられないよ~
【ラグナロク】 だからって抱きつかないで…
【司会】 さあ、致命的な一撃は受けていない ものの、防戦一方の蜻蛉切!
【司会】 対してスイハはじわじわと 相手を追い詰めつつあります!
【司会】 緊迫感! まさに緊迫感が会場を支配して います!!
【蜻蛉切】 あははは! スイハ、慎重さと勇敢さを兼ね備えた そなたの武勇、認めてあげる
【蜻蛉切】 私も覚悟を決めたわ さあ、どこからでも射てきなさい!
【スイハ】 蜻蛉切が足を止めた…? 挑発…? でも…
【司会】 これはどうしたことだっ? 蜻蛉切、闘技場のど真ん中で 仁王立ちだ!これでは良い的だぞ!!
【スイハ】 空気が張り詰めている …呑まれたら、負ける!
【スイハ】 射抜きます!!
【蜻蛉切】 はっ!
【司会】 ああーっ! 蜻蛉切、スイハの矢を槍で 切り払った!!
【観客達】 ウオオオオオオオ!!
【スイハ】 そちらがその気なら、私も!
【蜻蛉切】 !!
【司会】 おおおおおーっ! 蜻蛉切、スイハの連射を悉く 切り払っていくーっ
【蜻蛉切】 つぅっ! くっ…
【スイハ】 全てを払い切れているわけじゃない 少しずつ…当たっているから…!
【スイハ】 雲をも射抜く、我が一撃!
【蜻蛉切】 それを待っていたわ!
【スイハ】 いけないっ…!
【司会】 スイハの矢が蜻蛉切の肩を貫いた! …しかし蜻蛉切は止まらないぃぃ!!
【蜻蛉切】 穿つ!
【スイハ】 きゃぁっ…!
【蜻蛉切】 見事だったわ、スイハ… 私に傷を負わせたこと、誇りなさい
【スイハ】 ううっ…
【蜻蛉切】 私にかかれば、こんなものよ!
【観客達】 オオオオオオオオオオオオオオ!!
【司会】 決着ぅっ! 勝利したのは蜻蛉切! 蜻蛉切・イズ・準決勝進出です!!
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