30202203 黒パラシュ 『ジャッジデショコラ』
中庭に面した窓から 調理室の入り口が開いたのが見えた
特別実習が終わったのか 中から生徒がぞろぞろ出てくる…
【ピサール】
終わったぁ!
アイス~!
ピサールは箒を放り出して 調理室に向かおうとする…
その手をマスターは掴んでいた
【ピサール】
掃除は終わらせた方がいい…?
え~、いいよやらなくて~
【ピサール】
やっぱりピサールはいい加減
そういう風に思われたら…
【ピサール】
次に頼まれることもなくなるでしょ?
【ピサール】
…別に掃除するのは
イヤじゃないけど
次もまた頼られるのは面倒だから~…
マスターは ピサールが面倒くさがりになった 理由が知りたかった
でも、その話題は避けたがっている マスターはそう感じるからこそ 無理に聞こうとはしなかった
しかし、その代わり… 掃除はしてもらったほうが いい気がしたのだった
選択肢:
- できるピサールを見てみたいな → select_label_01へ
- ピサールはいい加減な子じゃないよ → select_label_02へ
- 動いたらアイスもきっと美味しいよ → select_label_03へ
しかし、その代わり… 掃除はしてもらったほうが いい気がしたのだった
select_label_01:
【ピサール】
むぅ…そんな目で見ないでよ~…
select_label_02:
【ピサール】
そんな言い方された逃げられない~…
select_label_03:
【ピサール】
その一言はズルい…
select_label_end:
【ピサール】
はぁ~…
【ピサール】
マスターはなんでそうやって…
わたしに構うかなぁ…
ピサールは 面倒くさそうに 重い腰を上げて箒を構えた
【ピサール】
やるからには…
効率よく一瞬で終わらせる
…普段のゆっくりおっとりした ピサールはそこにはいなかった
圧巻のスピードで中庭の落ち葉を 集めていく…
まるで4人のピサールが同時に 中庭の中心を四方から 囲んでいるようにすら見える…!
落ち葉は中庭の中心に あっという間にキレイな山を作った…
【ピサール】
『ジャッジデショコラ』…
【ピサール】
こういうのはチョコを
作るようにようにささっと
片付けちゃうのが1番だねぇ~
それはまさしく 彼女が新たなスキルに 目覚めた瞬間だった
マスターは 彼女の真の実力を 心から素直に褒め称えた
【ピサール】
だから…
そういう反応は…
いらないんだってぇ~…
言うほど、嫌そうではなかった 恥ずかしそうではあったが…
【ピサール】
ちょっと休憩~!
非常食のチョコを
たべま~す!
ピサールの言葉に従い マスターは手頃な樹の根元に 腰掛けたのだが…
なぜかピサールは ぴったりその隣りに座る…
ただでさえ体温が高いピサールは 動いたせいで更にほてっており その熱が腕に伝わってくる…
マスターは思わず飛び上がり そそくさと見回りに 戻ろうとする…
マスターが振り返ると…
溶けたチョコまみれになった手を どこか色っぽく舐めるピサールが こちらを見つめていた…
その姿に目を、 心を奪われそうになるマスター
だったが…
最後まで自分でやってね! と、言い放つ!
【ピサール】
えぇ~!
【ピサール】
…ちぇ~、両手がチョコまみれだから
片付け手伝ってくれると思ったのに~
そう言って、チョコまみれの手を ぺろぺろするピサール…
彼女の無意識な行動に 思わず目を逸らしてしまう マスターだった
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