Phantom of the Kill

Story scripts of Phantom of the Kill (ファントム オブ キル)

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310010111 シークレットリーエバーアフター(Secretly Ever After)(SEA編) プロローグ 第1話 プロローグ-11 戦闘前

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【???】 ずっと穏やかなところにいたんだ…

【???】 優しくて、 緩やかで、 何もないところ…

【???】 そこでは安心していられた みんな一緒だった…

【???】 何もないから、 全てあったんだ…

【???】 それなのに… あるとき、突然――

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6504011.png 【マナナン】 私は「知らない」ところに 放り出された

6504011.png 【マナナン】 自分のことも よく分からなくなっていて…

6504011.png 【マナナン】 かろうじて名前は 思い出せた…多分だけど

6504011.png 【マナナン】 何だか、体の真ん中が 空っぽになったような 気持ちがした

6504011.png 【マナナン】 でも、どうやったら空っぽを 埋められるのか分からない 誰も教えてくれない

6504011.png 【マナナン】 だから、試してみた

6504011.png 【マナナン】 いつの間にか持ってた銃を撃ったり、 あちこち走ってみたり

6504011.png 【マナナン】 そのうち、おかしなことに気がついた

6504011.png 【マナナン】 私はどんな傷を負っても…

6504011.png 【マナナン】 痛いって感じなかったんだ

6504011.png 【マナナン】 わざと自分の腕に爪を立ててみても 指に噛みついてみても

6504011.png 【マナナン】 感触がぼんやりとあるだけで、 痛くなかった

6504011.png 【マナナン】 まるで 自分がここにいないような気がした…

6504011.png 【マナナン】 何も知らない世界で、 曖昧なままの私がいる… ううん、本当にここにいるのかな?

6504011.png 【マナナン】 私は、何なんだろう…

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6504011.png 【マナナン】 一人きりで過ごす時間は平坦で 味気なくて…

6504011.png 【マナナン】 そのうち自分が 消えてなくなるんじゃないかなって 思うと

6504011.png 【マナナン】 胸の中がすごくモヤモヤした

6504011.png 【マナナン】 そんなときは、自分の腕を切ってみる

6504011.png 【マナナン】 ツーッと血が流れ出るのを見たら、 少しだけ安心できた

6504011.png 【マナナン】 自分は確かにここにいるんだって 感じることができたから …ほんのちょっとだけど

6504011.png 【マナナン】 でも、そのくらいじゃ満たされない もっと確かなものが欲しかった

6504011.png 【マナナン】 私はここにいるんだって もっと確かな証拠が

6504011.png 【マナナン】 痛いって感じることができれば… 安心できるんじゃないかな?

6504011.png 【マナナン】 私はこの世界に存在していいんだって 思えるんじゃないかな?

6504011.png 【マナナン】 この胸のモヤモヤが晴れて、 満たされるんじゃないかなっ?

6504011.png 【マナナン】 そんなことを考えていたとき、 イノシシに追われてる人を 見かけたんだ

6504011.png 【マナナン】 咄嗟に飛び出していた 人を助けようと思ったわけじゃないよ

6504011.png 【マナナン】 あの牙に刺されたら、 痛いって感じられるかもしれない そんな期待をしたからなんだ

6504011.png 【マナナン】 でも、期待はずれだった…

6504011.png 【マナナン】 私は「痛い」と感じられない

6504011.png 【マナナン】 この世界に存在しているって 確信が持てない

6504011.png 【マナナン】 それって、それってすごく…

6504011.png 【マナナン】 すごく――

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6504011.png 【マナナン】 「寂しかった」んだ

6504011.png 【マナナン】 まるで自分が世界から除け者にされて いるような感じがして…

6504011.png 【マナナン】 「痛い」って感じられない自分は 何かが欠けているから…

6504011.png 【マナナン】 みんなと一緒にいられないんだって そう思うと…寂しかったんだ…

【ミーミル】 マナナンさん 落ち着きましたか?

【ミーミル】 アナタは寂しさを埋めるために、 痛覚を求めました

【ミーミル】 ですが、その必要はなかったのですよ ほら、こうすれば確かに感じます アナタの存在を

【ミーミル】 アナタは確かにここにいます

6504011.png 【マナナン】 うん ミーミル、温かいな

6504011.png 【マナナン】 うーん… だけど、まだモヤモヤしたものは 残ってるんだよな~

6504011.png 【マナナン】 「寂しい」が満たされてない気が するんだよね~ …あれ?

【女の子】 おねえちゃん、さっきはごめんなさい 石をなげられて、いたかったでしょ?

【母親】 あの…あなたが娘を助けてくれたと 知らずに…すみませんでした

6504011.png 【マナナン】 えっ? ああ、気にしなくていいよ

【ミーミル】 村の皆さんはご無事でしょうか お姿が見当たりませんが…

【母親】 皆、森の方に逃げ込んでいます 私は、この子が どうしてもと言うので

【女の子】 みんな、 おねえちゃんにあやまったほうが いいとおもう

6504011.png 【マナナン】 別にいいってば …あ!森の方って、まずいかも

【ミーミル】 何か気になることが ございますか?

6504011.png 【マナナン】 さっきの変な奴らがね

【ミーミル】 異族ですね

6504011.png 【マナナン】 あれ、異族って言うんだ

6504011.png 【マナナン】 私、あれが森から こっちに向かっていったから 追いかけてきたんだよ

6504011.png 【マナナン】 まだ、森の方にも何体か 残ってるんじゃないかな

【母親】 そ、そんなっ…

選択肢:

まだ、森の方にも何体か 残ってるんじゃないかな

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6504011.png 【マナナン】 ふふふっ 君達は面白そうだし、いいよ!

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810004.png 【異族】 ガアアアアアアア!

【村人達】 た…助けてっ… 誰か…!

810004.png 【異族】 ガアアアアアアアアア!

6504011.png 【マナナン】 いたいた! たっぷり、満たしてあげるね

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