3100921 バルムンク 美しい薔薇には
戦場を一人の姫が駆け抜ける
【バルムンク】 はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!
彼女の名はバルムンク
【バルムンク】 やあっ!!
恐るべき戦闘力を持っているが、 マスターからの指示にしばしば…
【バルムンク】 え?新しい作戦…?
【バルムンク】 す、少し考えさせて
と、抵抗を示すのだった
そして、マスターと話すときだけ どこかよそよそしい
どうして僕を避けるの? そう問いかけてみるマスター
【バルムンク】 え?それは…
【バルムンク】 ………
一瞬、考えた後、
【バルムンク】 私は姫よ? 美しい花にはトゲがあるもの あまり深入りしない方がいいわよ?
と言って、はぐらかしてしまう
そんな彼女の 密かな楽しみは、 街での買い物
金銭管理が得意なため浪費はせず、 掘り出し物を見つけるのが喜びだった
【バルムンク】 さあ、今日は どんな出会いがあるのかしら?
嬉しそうに出掛ける彼女
一人、休日の ささやかな時間を 楽しんでいる
偶然、街に出ていたマスターは バルムンクを見かけて 声をかける
【バルムンク】 !
【バルムンク】 マ、マスター
【バルムンク】 ど、どうしたの…? こんなところで…
マスターは、いい機会だと思い、 買い物、一緒に行っていいかな? と言ってみる
【バルムンク】 え?一緒に…? う、うぅん… 別に…いいわよ
さっきまで楽しそうだったが、 戸惑いの表情を見せる彼女
そして その表情が消えることは、 最後までなかった
その帰り道、 マスターは彼女に 改めて尋ねてみる
どうして戦闘の時、 ためらいを見せるの?
もっと自信を持って 戦ってくれていいんだよ…と
【バルムンク】 ……べ、別に…
何か原因があるの? 君の本心を教えてて欲しい、 と彼女に訴えるマスター
【バルムンク】 ………
【バルムンク】 …そ、それは……
【バルムンク】 ………
一瞬の沈黙の後…
【バルムンク】 自信を持ったら… その分、怖い目にも 遭うでしょ…?
え?どういうこと? さらに尋ねるマスター
【バルムンク】 過度な自信は… 時に不必要な目を 招くこともあるから…
…不必要な目? と、マスターが尋ねても…
【バルムンク】 ……結局、みんな… 獣と大差ないってこと
意味深なことを言ったきり、 彼女がそれ以上、 口を開くことは無かった
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