310271213 クラウ・ソラス・D. plug・ベリアル 悪為す支配者の破壊
【クラウ・ソラス】
まったく…
見返りがあるはずもないのに
何でこんな無謀なことをするんだ
魔獣を押し退けながら マスターを叱責するクラウ・ソラス
助けを求める人がいるなら助けたい 平和な世界を作りたいんだ とマスターは答える
クラウ・ソラスにだって、 誰かを助けたい気持ちがあるはずだ と訴えかけるマスター
【クラウ・ソラス】
…いや、私にそんな気持ちはないよ
【クラウ・ソラス】
私は悪魔ベリアルを刻まれた
悪魔クラウ・ソラスだ
【クラウ・ソラス】
誰かを助けるために
無償で働くことなど有り得ない
そう言い切って冷笑する クラウ・ソラス
【クラウ・ソラス】
マスターこそ、なぜ彼らを
助けようとするんだ？
【クラウ・ソラス】
この街にいる人間どもと
そういう契約を
交わしたわけでもないだろうに
契約なんて必要ない 自分がそうしたいから、助けるんだ とマスター
【クラウ・ソラス】
…っ！
自分がそうしたいから…？
【クラウ・ソラス】
ふふ、はははっ！
そうか、そういうことだったか
【クラウ・ソラス】
マスターも、
ただ自分のやりたいことを
優先しているだけなんだな
【クラウ・ソラス】
契約も対価もなく
自らの命すら投げ打って…
【クラウ・ソラス】
それこそ、真の傲慢ではないか
クラウ・ソラスは感心したように マスターを見て、微笑んだ
そのとき、クラウ・ソラスが 進んで魔獣へ踏み込み 鋭い剣撃を放つ
マスターを守るためではなく この街を守るために踏み込んだのだ
クラウ・ソラス…！ と感激するマスター
【クラウ・ソラス】
ふっ、勘違いするな、マスター
正義の心に目覚めたわけじゃない
【クラウ・ソラス】
さっきから私の目の前で
傲慢に振舞う、この魔獣どもが
気に食わなかっただけだ
クラウ・ソラスは強く剣を握り締め 邪悪な微笑を浮かべる
【クラウ・ソラス】
契約ではなく
私も私のやりたいことをしよう
【クラウ・ソラス】
マスターのように、傲慢に…っ！
契約という枠組みの中でしか 戦わなかった彼女が 初めて自分のために剣を振るう…！
【クラウ・ソラス】
ふははははっ！
思う存分、傲慢にっ！
力を振るわせてもらおう！
【クラウ・ソラス】
受けてみよ、魔獣ども！
『悪為す支配者の破壊』！
クラウ・ソラスから放たれた一撃が 魔獣の群れをことごとく蹂躙し 撃破していった
こんな力があったなんて…！ と彼女の見せた一撃に 見とれるマスター
【クラウ・ソラス】
…隠していたわけじゃない
今、解き放たれたんだ
【クラウ・ソラス】
ふふっ、これからはあなたのように
契約を超えて動くのも
悪くないかもしれないな…
そう言って、クラウ・ソラスは 憑き物がとれたように にっこりと微笑むのだった…
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