310383211 アルマス アルマスの疑惑
【アルマス】 はぁ… またなの?
【アルマス】 …いいわよ ここで、待ってるから
ごめんね、すぐ戻るから…と、 マスターはアルマスに謝りながら、 他の生徒とどこかへ行ってしまう
マスター達の姿が見えなくなってから アルマスはもう一度、ため息をついた
【アルマス】 はぁ… 学園を案内してくれるって 約束だったのに…
男女共学のテストケースである マスターを観察するため、 姉妹校から転校してきたアルマス
交流もかねてマスターに学園内を 案内してもらっていたのだが…
【アルマス】 私との約束があるのに 他の生徒に声をかけるとか、 絶・納得いかないんだけど…
【アルマス】 …よくわからないけど、 あれって、ナンパってこと?
【アルマス】 うちも男女共学になったら、 男子生徒はあんな感じに なるのかしら…
そんなことを考えているうちに、 マスターが息を切らせて戻ってくる どうやら走ってきたらしい
本当にごめんね、と謝るマスターに アルマスはさりげなく尋ねる
【アルマス】 なにをしてたの?
そう聞かれたマスターは動揺し、 いや、その、話すと長くなるから… と、ゴマかす
【アルマス】 …ふーん
と、とにかく、待たせてごめんね、 次の場所へ行こう、とマスターは アルマスを連れて校庭へ向かう
しかし、ここでもマスターは 再びアルマスを待たせて、 違う女生徒とどこかへ行ってしまった
行く先も目的も教えてくれない マスターに疑念を募らせ、 アルマスはある計画を思いつく
【アルマス】 そうよ! マスターのあとをつければ、 なにをしているかわかるはず!
【アルマス】 …って、それはちょっと、 さすがにやりすぎかな
【アルマス】 …だけど、私はこの学園と マスターの視察に来たんだし…
【アルマス】 この学園の現状を、ティニに 報告する義務があるんだから、 仕方ないわよね、うん!
【アルマス】 絶・行くわよ!
翌日の放課後、 アルマスは計画を実行する
マスターのあとをつけていくと やはり、他の生徒に 話しかけ始める
【アルマス】 やっぱり、昨日の子とは 別の子ね …あ、どこかに行くみたいね
知らない女生徒と親しげに廊下を 歩くマスターの後を、アルマスは 目立たないようについていく
ふたりが教室に入ったため、 アルマスはそっと教室に近づき、 聞き耳を立てる
念のため、あたりを見回すと、 前が見えないほどの大荷物を抱えた 女生徒が、廊下を歩いてきた
彼女はアルマスには気付かないまま、 廊下をゆっくり進んでいく
【アルマス】 あんな大荷物、 ひとりじゃ大変よね…
【アルマス】 うーん…手伝ってあげたいけど、 マスターのことも気になるし…
【アルマス】 …って、ちょっと待って! あの子、あれで階段を降りる気? 絶・危ないんだけど!
アルマスは女生徒にかけより、 思い切って声をかける
【アルマス】 それ、どこまで運ぶの? 手伝うわよ
女生徒は、急に話しかけられて 驚いていたが、ありがとうと微笑んで アルマスの助けを受け入れる
荷物の中身は部活のユニフォームで、 体育館まで運ぶ、ということだった
【アルマス】 わかったわ、体育館ね… それじゃ、行きましょうか
【アルマス】 …やっぱり、もういないか そりゃそうよね
女生徒の手伝いを終えたあと、 アルマスは急いで戻ってきたが マスター達はすでにいなかった
【アルマス】 はぁ… 今日の作戦は絶・失敗か 次の手を考えなくちゃ…
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