320041204 パラシュ・D. plug・アスタロス 四業『意志なき裁定』
数日後─
【パラシュ】 今日はボクが料理当番だな 任せてくれ
あれ以来、パラシュは 怠けるようなことはなくなった
そして…
【パラシュ】 おい、ダメだぞ 約束の時間に遅れちゃ
【パラシュ】 遅れたら罰則… なんて規律はないが、 常に己を律することが大事だ
【パラシュ】 己に厳しく、 そして… 人には優しく…だ
以前に比べ、 隊の姫にちゃんと厳しく 接するようになっていた
当初は「最近のパラシュ、 厳しくなったよね?」と言ってた 姫たちだったが、
今までの心の読めない 渇いた印象はなくなり、 むしろその距離は縮まっていた
そんな彼女に声を掛けるマスター 最近、雰囲気変わったね?
【パラシュ】 ……そうか?
【パラシュ】 確かに…心のうちは変わった
【パラシュ】 以前は、怠惰な姫を “隊を乱す障壁”…としか 思っていなかったが…
【パラシュ】 今では許せるように… いや、受け入れられるようになった
それが“優しさ”ってやつだね …と、マスターが微笑む
【パラシュ】 …優しさ……か
【パラシュ】 なるほど… 優しさとは“愛ある厳しさ” ということか
【パラシュ】 ただ相手を締め付けるのではなく、 寛容な心で、相手を良い方向へ 導くための厳しさ…
【パラシュ】 ふふ、まるで… マスターのようだな
その気づきにより、
彼女はまた新たなるスキル 四業『意志なき裁定』 を身につけていた
【パラシュ】 なぁ、マスター
【パラシュ】 街に行かないか?
珍しい彼女からの誘いに 応じるマスター
二人はいつかのお店に行く
【パラシュ】 ねぇ?ボクがなぜ、 怠けなくてもいいか分かるかい?
【パラシュ】 それは…
【パラシュ】 ティータイムという いい息抜きを覚えたからだよ
【パラシュ】 あのままだったら… ボクの心は、いつか 潰れてたかも知れないね
【パラシュ】 あるいは… 誰かを潰していたかも…
姫の寝室の前で、 斧を持って立っていた日のことを 思い返すパラシュ
そんな彼女にマスターは言う もうキミは大丈夫、だって… 心安らぐ紅茶の味を知ったから
【パラシュ】 …うん
彼女に、紅茶を注いであげるマスター
【パラシュ】 ありがとう、マスター ボクに力をくれて
【パラシュ】 だから、任せてくれ キミの理想は… ボクが絶対に叶えるから
…と、紅茶を口に含む彼女
その目には、 大きな決意の光に満ちていた
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