320061211 ダグダ・獣刻・ベヒモス ダグダに近寄らないで
ある日、マスターは 隊のみんなから離れ、 一人斧を振る斬ル姫を見かけた
【ダグダ】 はぁ…はぁ…
彼女の名は、 識別系統H・〇八、ダグダ
マスターの隊に最近入った 新入りだ
【ダグダ】 う~ん… やっぱりうまく できないなぁ…
思案している彼女に、 一人でなにやってるの? と、声を掛けるマスター
【ダグダ】 わわわっ!
【ダグダ】 マママ…マ~スタ~!
思わず逃げ出すダグダ
どうして逃げるの!? と彼女の後を追うマスター
【ダグダ】 ダグダには近づかない方がいいよ~!
どうして? そう尋ねようとしたのも 束の間…
【ダグダ】 あぁっ!
石につまずき、 転びそうになるダグダ
危ない!とマスターが叫ぶと、
彼女は体勢を立て直し、 なんとか近くにあった大きな木に 寄り掛かった
【ダグダ】 はぁ、ギリギリセ~フ
…が、
【ダグダ】 あ
メキメキメキッ!
寄りかかる手に 少し力を加えただけだったが、 その木は大きな音を立て、
マスターの頬を掠め、 ドオオオン!と倒れたのだった
【ダグダ】 わ…また、やっちゃった
は…ははは… 冷や汗を垂らし、 頬を押さえ苦笑いするマスター
その後、2人は腰を掛け、 落ち着いて話をする
近づかない方がいいって、 どうして?と尋ねるマスター
【ダグダ】 …うん、それはね…
【ダグダ】 マスターも知ってるでしょ? ダグダに獣刻されているのは、 超~巨大な怪物・ベヒモスだって
彼女はベヒモスの 圧倒的な力を内包されたことで、 戦闘でも大活躍だった
だが…
【ダグダ】 ダグダ… そのベヒモスの力を… 上手く制御できないんだよぉ…
【ダグダ】 物も人も… ちょっと触ったら、 すぐに壊しちゃう…
暗い目を見せる彼女
マスターは思い出す
ダグダは入隊以来、 他の姫たちと接してこなかった
【ダグダ】 だって…ダグダのせいで… みんなを怪我させたくないもん
だから、みんなを避けていたんだ? と、尋ねるマスター
【ダグダ】 うん…
彼女が悲し気な顔でうなずく
それを見たマスターは…
よし!じゃあ、トレーニングしよう! と彼女に提案する
【ダグダ】 え?トレーニング…?
【ダグダ】 でもマスター…どうするの?
僕に考えがあるんだ とマスター
【ダグダ】 …?
かくして、 マスターとダグダの 秘密の特訓が始まった
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