320061213 ダグダ・獣刻・ベヒモス 地を割り逆巻く衝風
一撃ですべて倒せ
というマスターからの難題に 攻撃をためらう彼女
【ダグダ】 そんなの… どうすればいいのぉ…
打開策を見つけられず、 戸惑うばかり
――と、
キミは星のように 輝きたいんじゃないのか! 弱気な彼女にマスターが叫ぶ
【ダグダ】 か、輝きたいけど…
思い出すんだ! 昨日の星を!! と叫ぶマスター
【ダグダ】 …え?
一瞬、空に目をやる彼女
【ダグダ】 昨日の…星…?
その姿を思い出す彼女 そして、次の瞬間…
【ダグダ】 …あっ!
【ダグダ】 ………そっか
【ダグダ】 そういうことだったんだ…
【ダグダ】 ありがとう、マスター! ダグダ…やってみる!
と、大きく斧を振りかざす
【ダグダ】 いくよ! これがあたしの…… フルパワーだぁぁぁぁぁっ!!
言葉通り、全力で斧を振り回す彼女 そこにはためらいや恐れは 一切なかった
【ダグダ】 いっけぇぇぇぇぇぇぇっ!!
とてつもなく強力な一撃により、 なんと敵兵は全滅!
【ダグダ】 できた! これがダグダの新しい技…
【ダグダ】 『地を割り逆巻く衝風』だよっ!!
それは、 彼女が新たな力に 目覚めた瞬間だった
戦闘後、 草原で話している ダグダとマスター
【ダグダ】 マスターの言いたかったこと、 ダグダわかったよ
【ダグダ】 昨日の星、それって…
【ダグダ】 『流れ星』のことだよね
【ダグダ】 流れ星が輝くのは、ほんの一瞬
【ダグダ】 でもその閃光に究極の美しさがある
【ダグダ】 マスターはダグダに、 流れ星のような一瞬の輝きを…
【ダグダ】 一瞬の全力を出せって 言いたかったんだよね
その通り、とうなずくマスター
【ダグダ】 ダグダ…自分の 大き過ぎる力が ずっと怖かった
【ダグダ】 だからずっと本気を 出してこれなかった…
【ダグダ】 でも、初めて全力を出したことで、 自分の全力がどれくらいなのか 知ることができた
【ダグダ】 全力が分かれば… 力のコントロールも 出来るようになる!
と、縦に積まれた石を叩く彼女 数ある石は、一つだけ割れていた
彼女は力の加減の仕方を 身に着けつつあった
【ダグダ】 ダグダ…もう怖くないよ
【ダグダ】 ベヒモスの力は…もう怖くない むしろ、ありがたいって思えるよ だって、これからは…
【ダグダ】 この力でマスターを 助けてあげられるもんね!
【ダグダ】 うん、キミをずっと守り続ける! ダグダを恐れずに向き合ってくれた 大切なキミを!
彼女が笑った
ずっと孤独だったからだろうか その笑顔はどこかぎこちない
でも、夜空に輝く 星のような美しさを秘めている マスターはそう感じていた
Next: 320061214