Phantom of the Kill

Story scripts of Phantom of the Kill (ファントム オブ キル)

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3200722 シャルウル 磨くべきもの

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forest.png

それから数日後…

3200711.png 【シャルウル】 急ぎましょう、マスター

森の中を進むシャルウルとマスター

今日は、隊の姫の誕生日

ケーキ係として町まで 買いに行った2人は、 帰りを急いでいた

3200711.png 【シャルウル】 マスター、 このままでは約束の時間に 遅れてしまいますよ

店が思ったより混雑したこともあり、 予定が狂ったシャルウル

3200711.png 【シャルウル】 やむをえません いつもは通らない道ですが、 今日はこちらから帰りましょう

と、近道のルートを選ぶ

だが、それはなかなかの獣道で…

3200711.png 【シャルウル】 はぁ…はぁ… マスター、なにを 悠長に歩いているのです?

3200711.png 【シャルウル】 そんなことでは、 近道を選んだ意味が ないじゃないですか

もう少しゆっくり… シャルウルの体力には付いていけず、 息を切らせているマスター

3200711.png 【シャルウル】 なにを情けないことを…

――と、その時、

3200711.png 【シャルウル】 …!

『ガサガサッ!』と 茂みが動いた

3200711.png 【シャルウル】 あれは……

2人の目の前には、 大きな野生のイノシシが

こちらをにらんでおり、 今にも飛び掛かってきそうな 気配だ

3200711.png 【シャルウル】 …来ますっ!

そして思った通り、 こちら目掛けて、 猛突進してくる

3200711.png 【シャルウル】 例え動物であれ、 マスターを傷つけようとするものを 見過ごすことはできません

斧を取り出し構える彼女

――が、

3200711.png 【シャルウル】 なぜ、止めるのです、マスター!? このままではこちらに危害が…!!

尚も迫ってくる巨大イノシシ

だがマスターは… 殺す必要はないだろ? と、彼女に訴えかける

3200711.png 【シャルウル】 ……

マスターの真剣な目を見た彼女は…

3200711.png 【シャルウル】 …わかりました

そう言って、 斧の柄の部分でイノシシを打ち、 気絶させるのだった

3200711.png 【シャルウル】 マスターに言われた通り、 殺生はしませんでしたが…

3200711.png 【シャルウル】 思わぬ足止めを 食らってしまいました…

3200711.png 【シャルウル】 このままでは、 本当に遅刻してしまいます! 急ぎましょう!!

3200711.png 【シャルウル】 …え?

3200711.png 【シャルウル】 行かない…? どうしてです!?

マスターがイノシシを指さす

3200711.png 【シャルウル】 あっ!

その背中には、 矢尻が痛々しく食い込んでいた

3200711.png 【シャルウル】 狩りの対象にされたのですね…

3200711.png 【シャルウル】 人間たちに対する不信感と恐怖心で、 私たちに攻撃を仕掛けて……

3200711.png 【シャルウル】 同情はしますが、 これも自然の摂理

3200711.png 【シャルウル】 我々が今すべきは、 遅れないよう、 先を急ぐことです

3200711.png 【シャルウル】 さあ、マスター 早く

と急かす彼女に対し、 マスターは…

3200711.png 【シャルウル】 なっ!!

イノシシの体から、 矢尻を抜こうと言い出したのだった

3200711.png 【シャルウル】 な、なぜ…? 状況が分かっていますか?

3200711.png 【シャルウル】 そんなことをしていては、 約束の時間に…!

たとえ約束を守れなくても、 これが今すべきことだと思ったから… マスターの答えだった

3200711.png 【シャルウル】 !!

君に教わった医学の知識もあるからね 応急処置くらいはできるよ …とマスター

3200711.png 【シャルウル】 …ですが

大丈夫、君はケーキを持って、 約束の時間までに駆け付けてあげて …と彼女にケーキを託すのだった

3200711.png 【シャルウル】 ………

3200711.png 【シャルウル】 …わかりました

シャルウルは逡巡するも、 マスターの言う通り帰路に就いた

3200711.png 【シャルウル】 ………

一人、仲間の元に向かう彼女

しかし、その中で 様々な思いが交錯する

3200711.png 【シャルウル】 ……本当に…

3200711.png 【シャルウル】 これで良かったの…?

3200711.png 【シャルウル】 私の行動は… 選択は… 正しかったの…?

3200711.png 【シャルウル】 わ、私は…!

彼女が踵を返し、 マスターの元に向かった!

3200711.png 【シャルウル】 はぁ…はぁ…

3200711.png 【シャルウル】 こんな事したら… 絶対に遅れるのに……!

3200711.png 【シャルウル】 でも……

――と、

3200711.png 【シャルウル】 !!

3200711.png 【シャルウル】 こういう時に限って……

彼女の目の前に、 ハルモニア兵の集団が現れた

武器をこちらに向ける敵兵たち

3200711.png 【シャルウル】 抜けるには…

3200711.png 【シャルウル】 強行突破しかないようね…!

彼女もまた武器を構えるのだった

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