3200723 シャルウル 原初の海厄
【シャルウル】 …はぁ…はぁ…
シャルウル…! どうして…? …と、驚くマスター
【シャルウル】 結局……
【シャルウル】 戻ってきちゃいました
敵兵を退け、 マスターの元に辿り着いた彼女
【シャルウル】 私も…
【シャルウル】 手伝います
マスターと共に、 イノシシの治療を行う彼女
その中で、マスターに語りかける
【シャルウル】 マスターの行動は… 間違っていると思っていました
【シャルウル】 でも、間違っていたのは… 私の方でした……
【シャルウル】 マスターを 研磨すると言いながら…
【シャルウル】 本当はただ、あなたを 自分の思い通りの人間に したかっただけなのかも知れません…
矢尻を取り除きながら、 彼女が言葉を紡ぐ
【シャルウル】 そもそも、なにが完璧なのかなんて…
【シャルウル】 その人の立場や、 時代で移り変わっていく…
【シャルウル】 完璧な人間なんて… いないのかも知れません…
【シャルウル】 あなたを見ていたら… そう思えるようになりました
と、微笑み見せる彼女
その想いの変化が彼女に新たな力 『原初の海厄』を 与えるのだった
そしてイノシシの治療を終え、 野生に帰してあげた シャルウルとマスター
その後ろ姿を見送り、 マスターに向き直り、 こう言う
【シャルウル】 もう、すっかり遅刻ですね
【シャルウル】 ですが、なんだか…
【シャルウル】 とても清々しい気分です
その言葉通り、 晴れやかな笑顔を見せる彼女
そして…
【シャルウル】 あ、あの…!
意を決したように、 口を開いた
【シャルウル】 申し訳…ありませんでした…
なにが?と、 不思議そうに尋ねるマスター
【シャルウル】 いや、その…
これまでマスターに強いてきた 数々の教育・指導 それを詫びたい彼女
【シャルウル】 あの…
だが、今さら 謝罪しづらそうな感じで モジモジしてしまう
その姿を見た、マスターは…
「プッ」と吹き出してしまった
【シャルウル】 な、なぜ笑うのですか…!?
だって、 いつも毅然としているのにさ …と、答えるマスター
【シャルウル】 もう!私だって 失敗はあるのですっ…! それを笑うなんて…
【シャルウル】 完璧な人間になれませんよ!
腰に手を当て、 マスターに詰め寄る彼女
言ってることが 早速、食い違ってることに、 さらに可笑しくなるも、
その姿が、 妙にいじらしいと思う マスターだった
【シャルウル】 も、もう… 笑ってはいけないと 言っているではありませんかっ…!
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