320191201 シユウ・D. plug・ベルゼブブ “めいれい”しないのか?
マスターの隊に新しく入った姫、 その名は…
【シユウ】 うがあああぁぁ! シユウ・どみねいとぷらぐ・ ベルゼブブだ!
彼女の声が、夜の空に 響きわたる
【シユウ】 おなかがすいたぞ!! にくだ! にくをもってこーい!
【シユウ】 …あれ?ますた~のかおが ほねつきにくにみえるぞ…? じゅるり
【シユウ】 いっただっきまぁ~す!
…と、マスターに抱き着き、
【シユウ】 がぶがぶ!あははは!
楽しそうにじゃれている
見た目や言動は子供っぽいのだが、
彼女はケイオスリオンにいた頃、 カルマキラーズに数えられるほどの 実力者だった…らしい
【シユウ】 ん?なんだ、みんな? そんなめでシユウをみて なんかもんくあんのか?
今でも当時の威圧感は健在で、 戦闘の実力も相まって、 隊内でも恐れられる存在になっていた
そんな、ある日―
【シユウ】 うがああぁぁ!
【シユウ】 なんだ、おまえ! けんかうるなら、 かってやるぞ!!
シユウがなにやら 隊の姫と揉め始めた
【シユウ】 このおおおお! おろかものがぁぁぁ!!
斧を振り上げるシユウ
【シユウ】 くぅらえぇぇぇっ!!
だが、それを制止したのは…
【シユウ】 む!なんだ、マスター!? じゃまするな!!
振り上げた拳を ピタリと止める彼女
【シユウ】 うがあああぁぁ! なんでとめるんだ、マスター! シユウはわるくなぁぁぁい!!
手が付けられないほど 地団駄を踏む彼女に、 マスターは…
これでも食べて落ち着いて …と、お菓子を与えた
そんな物で大人しくなるわけない 隊の姫が思った瞬間…
【シユウ】 おお、マーラーカオ! マスター! シユウ、おとなしくするぞ!
ズッコケかけるも、 ほっと胸を撫で下ろす姫たち
【シユウ】 うん!うまい、うまい!
マスターは、 みんなから少し離れた場所で、 シユウに話を聞くことにした
「どうして、あんなに怒ってたの?」 マーラーカオを頬張る彼女に尋ねる
【シユウ】 あいつがいじわるするからだ
「意地悪?」 尋ねるマスター
【シユウ】 シユウに “りょうりとうばん”はまだ はやいっていうんだ
そうなの? マスターの問い掛けに…
【シユウ】 ああ、それに シユウがつまみぐいするだけで すぐにおこるんだ!
【シユウ】 ちょっと、トマトとソーセージと、 チーズとパンとにくを たべただけなのに!
【シユウ】 そのくせ、あれをやれ、 これをてつだえって、 さしずばっかりして…
【シユウ】 ぜんぜん、 じゆうにやらせてくれないんだ!
【シユウ】 なぁ、あたまにくるだろ、 マスター!?
なるほど…どうやら揉めたのは、 彼女のわがままな性格にも 原因があるようだ
【シユウ】 はぁ~、おいしかった! ごちそうさま~!!
そう言って、 どこかへ出掛けようとするシユウ
どこ行くの? とマスターが尋ねると、
【シユウ】 そとであそんでくる! しょくごのうんどうは、 “びぼー”にたいせつだからな!
そう言う彼女に対し、マスターは でも今日は遅いから、もう寝たら? と提案する
【シユウ】 なんだ! マスターも“めいれい”するのか!? シユウはそとにでたいんだ!
そう言って、睨んでくるシユウに マスターは少し悩み、そして―
それなら、今から ぼくと一緒に外に出ようか と言葉をかけた
【シユウ】 え?マスターとか?
夜だから危ないし、 ぼくもシユウが心配だから そう告げると、目を白黒させる
【シユウ】 ……そ、そうか
【シユウ】 マスターがそういうのなら、 しかたないな… やっぱり、そとはいかない
彼女らしくない 不自然な態度で頷き、
【シユウ】 まぁ…めいれいには、 さからえないもんな
…と、寝床に行くシユウ
だが、その背中は どこか不安を感じさせるものだった
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