320192211 シユウ イースター ぶきようらびっと
【シユウ】 なぁ、マスター! イースターパーティーの ごちそうってうまいんだろ?
【シユウ】 うがあああぁぁ♪ たのしみだなー!
イースター当日、シユウは マスターを見つけて 嬉しそうに話しかける
【シユウ】 きょうは、いしょうも とくべつなんだぞ! どうだ、かっこいいだろ?
うん、シユウによく似合っているね と、マスターが言うと、 シユウは満足そうに笑った
【シユウ】 ふんふん♪ そうだろー?
【シユウ】 あ、そうだ! シユウは、みんなといっしょに パーティーのごちそうをつくるんだ!
【シユウ】 じゃあ、またな! マスター!
そう言い残すと、シユウは バタバタと足音を立てて 炊事場へと向かっていった
その後ろ姿を見送りながら、 力みすぎて失敗しないといいけど… と、マスターは少し心配していた
【シユウ】 いっくぞおおぉぉ!!
マスターの心配は、 残念ながら的中した
仲間の斬ル姫に野菜を切るように 言われたシユウは、包丁を 力いっぱいまな板に叩きつける
【シユウ】 よし! きれいにきれたぞ!
シユウは満足そうだが、 野菜の大きさはバラバラで、 まな板まで切れている
【シユウ】 さあ、つぎはなにをきる? このうまそうな、にくか? それとも、こっちのくだものか?
【シユウ】 …じゅるり
【シユウ】 たぁ! てぇあ!
パン作りに移動させられたシユウは、 ここでも全力ではりきっていた
【シユウ】 うがあああぁぁ!
渾身の力で叩きつけられた パン生地が大きく跳ね、 近くの鍋にぶつかる
【シユウ】 あっ!
煮立った鍋が倒れ、周囲にいた 姫たちたちは慌てて逃げ出す 炊事場は大騒ぎになってしまった
見かねた姫のひとりが、シユウに 料理は無理だ、別の場所で準備を 手伝ってほしい、と言い出す
【シユウ】 なんだと! シユウは、つまみぐいも がまんしてがんばってるぞ!?
【シユウ】 おまえ、シユウに いじわるしてるんだな!? そんなこと、ゆるさないぞ!
【シユウ】 うがあああぁぁ! かかってこい!
シユウは怒り狂い、 狭い炊事場で暴れだしてしまった
そして、ひとりの姫が シユウの暴走に巻き込まれ、 腕に傷を受けて倒れる
【シユウ】 あっ…
シユウが我に返って動きを止めると、 倒れた姫の周囲に仲間が集まって、 心配そうに見守る
シユウは、ケガをさせたことに 戸惑い、思わずその場から逃げ出した
【シユウ】 はぁ、はぁ… シユウは、わるくないぞ! だって、いじわるするから…
シユウはそう言って一息つく 勢いに任せて走っているうちに、 国境の近くまできていた
ふと、遠くからシユウを 呼ぶ声が聞こえてくる
マスターが、飛び出したシユウを 心配して追いかけてきたのだった
【シユウ】 マスター…
マスターはシユウに、この辺は 巡回兵が多いから一人じゃ危ない、 仲間のところに戻ろう、と話す
【シユウ】 いやだ! シユウはかえらない!
【ケイオスリオン兵】 おい、お前ら! ここでなにを騒いでいる!? 返答次第ではただじゃおかねえぞ!
【シユウ】 なんだ、おまえら? うるさいぞ、じゃまをするな!
【ケイオスリオン兵】 なんだとぉ? 痛い目にあわなきゃ わかんねぇようだな?
【ケイオスリオン兵】 覚悟しやがれ!
【シユウ】 うがあああぁぁ! ざこは、ひっこんでろ!
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