320293212 レム 少しだけの幸運
ウェディングドレスに身を包んだ レムと一緒に歩くという 異様な状況に混乱するマスター
【レム】 あの女性に言われるがままに きてしまいましたが… レムは頭が追いついていません…
自分もだとマスターも返す
【レム】 そもそもマスター様は どこへ行こうとしていたのですか?
状況が状況なのでと答えるマスター だが、それはおばさんが示した 行先と同じものだった
この先には それはそれは見事な花畑が あるらしくそこへ向かっていたのだ
【レム】 でも、あの女性は 関係ないんですよね…
あくまでレムの気分転換になれば そう考えていただけのこと この状況は想定外だとマスター
【レム】 マスター様は嘘を言うような方じゃ ありませんし…
【レム】 それに、レムのことを 考えてくださってのことなら なおさら疑う訳にいきませんね
納得はできないが レムはマスターを信頼しているようだ
【おばさん】 あ、あんたたち~!
おばさんが 息を切らせながら マスター達を走って追ってきた
【レム】 あれ、さっきの…
【おばさん】 ご、ごめんなさいね あたしったら勘違いしてたみたい!
【レム】 なるほど、本当はレム達ではなく ここで結婚式を挙げる予定の 方達がいたんですね
花畑の美しさから この時期はこの辺りで式を挙げよう という夫婦が多いらしい
【おばさん】 あまりにかわいい子だったから つい間違えちゃったんだよ ごめんねぇ~
ドレスを着てさらにかわいくなった レムを見たマスターは 仕方ないですね、とおばさんに返す
【レム】 どさくさに紛れて レムをからかわないでください
【おばさん】 あははっ、あんた達見てると 少しは気が晴れるよ…
【レム】 …何かあったんですか?
【おばさん】 ちょっとねぇ…
おばさんの話では、ここ数年 兵士が見回りに来るようになり 最近は人があまり訪れないのだという
【おばさん】 花畑も踏み荒らされちまうしねぇ 今年はまだ平気みたいだから 式があるなら早くって思って
【レム】 だから早とちりなさって… ですが、素敵なドレスです レムは少しだけ幸運でしたね
【おばさん】 そう言ってくれると ありがたいねぇ
ひとまず事情はわかったが おばさんの話を聞いて 何かできないかと考えるマスター
【レム】 マスター様… レムも、お手伝いさせてください!
丁度その時! 森から現れた兵士が 花畑へ向けて駆けていくのが見えた
【レム】 噂をすれば、ですね とにかくあの兵士の方を 止めにいきましょうマスター様!
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