330081212 グングニル・D. plug・アモン 起き上がる強さ
グングニルは 誰よりも早く起床し 一人で素振りの稽古をしていた
【グングニル】 指揮をする我が情けない姿を 晒せば、全体への士気にも関わる もっと鍛錬を積まねば
…あ、朝から精が出るね! とマスターはぎこちない 話し方でグングニルに声を掛ける
【グングニル】 ま、マスター!? いつからそこに… わ、我の独り言を聞いたのか…
ごめん、不本意ながら… とマスターは苦笑する
【グングニル】 …っ、それで、今日は何のようだ 前回の任務で失敗した我を 咎めにでも来たのか…?
違うよ、とマスターは優しく微笑み 君の力になりたいんだ と伝える
【グングニル】 な…っ
何か事情があるなら相談してほしい とマスターは彼女の目を じっと見つめる
【グングニル】 …………はぁ
グングニルは大きくため息を吐くと こう切り出した
【グングニル】 独り言を聞かれてしまったのも 我の弱さゆえ…か
【グングニル】 それに抱え込むよりは 誰かに聞いて貰った方が いいかもしれないしな
【グングニル】 …アモンを霊装支配された我は 普段は冷静に対応できるのだ 実際にいくつもの成功を収めてきた
【グングニル】 しかし、本番のここぞというときに 予期せぬトラブルに会うと… その…
【グングニル】 …うまく対応できず 槍先が、震えてしまうのだ…
ぶん、とグングニルが 不安を振り払おうとするかのように 槍を振るう
その震える槍先を支えるのが マスターである僕の役目だ そう決意するのだった
それじゃあ今日も一緒に特訓しよう! と、マスターはグングニルに提案した
【グングニル】 …わかった よろしく頼むぞ、マスター
【グングニル】 …どうしてマスターは 特訓に付き合ってくれるのだ?
訓練の途中で、 グングニルはどこか不安そうに尋ねた
困っている仲間を助けるのは 当たり前のことだよ そう微笑むマスター
それに思ったんだ キミは強い姫なのに 勿体ないって、と続ける
【グングニル】 強い…? マスターの目は節穴か? 我は…けして強くはないぞ
【グングニル】 我の目で見て そう感じたのだから 間違いない
我の目、というのは アモンのことかな? と尋ねるマスター
【グングニル】 うむ 我の内にあるアモンには 本質を見極める力もあるからな
【グングニル】 だからこそ、わかるのだ… 我の特訓に付き合ってくれる マスターの甘さにも…な
そんな折のことだった…
【グングニル】 しまった…っ! 特訓に集中していたせいで 接近を許したか…
【グングニル】 マスター 我が時間を稼ぐ その間に逃げるのだ
大丈夫だよ、キミの強さを信じてる 自信を持って! とマスターは、その場に留まる
【グングニル】 …マスターは甘いのか? それとも向う見ずなのか…? わからなくなってきた…
【グングニル】 ただひとつわかることは 我の強さを… 我以上に信じてくれているということ
【グングニル】 …わかった 答えよう、マスター!
グングニルは大きく深呼吸して 戦いに挑んだ
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