330081213 グングニル・D. plug・アモン 優雅なる王の一薙
【グングニル】 はあああっ!
グングニルの槍が次々に 魔獣を撃ち貫いていく
いけるよ、グングニル! とマスターがエールを送る
【グングニル】 …はぁ、はぁっ あと一匹…か
来たる最終局面 グングニルが最も苦手とする場面だ
見守るマスターでさえも 緊張で固唾を呑み込む
ごくり、という静寂が過ぎ去り、 グングニルは大きく槍を振りかぶった
【グングニル】 一撃で決めてみせる…ッ!
【グングニル】 …この一撃で 一撃で、やつをっ…
生きるか死ぬかの状況で、予期せぬ トラブルも起こるかもしれない… その恐怖で、また槍先が震えてしまう
マスターは力強く声をかけて 恐怖に負けそうな彼女を励ます
何度失敗してもいいんだ! 君の本当の強さは、何度失敗しても けして折れない強さなんだ、と
【グングニル】 折れない…強さ?
【グングニル】 …ああ、そうか だからマスターは 我が強いと言ったのだな
【グングニル】 マスターは初めから 落ち込む弱さではなく 立ち上がる強さを見ていたのだ
【グングニル】 我の本当の強さを マスターは見抜いて、 ずっと…信じてくれていた
【グングニル】 …気づけたよ、マスター 何度、失敗しても屈しないという 我の信念の力を…っ!
【グングニル】 信念のためならば 何度でも立ち上がる覚悟の力をっ!
グングニルは ぐっ、と力強く槍を握り締める その槍先は、もう震えていなかった
【グングニル】 マスター、見ていてくれ…っ! 今こそ我が真価を放つとき! 『優雅なる王の一薙』ッ!
自分の内にある強さに気づけた グングニルは不安を乗り越え、 新たな力に変えて撃ち放つ
グングニルが放ったトドメの一撃は 魔獣を見事に貫いてみせた
すごい…っ! とマスターが賞賛の声を上げると グングニルも満足そうに笑った
【グングニル】 …ふ、ふふふっ 礼と、謝罪を言わせてくれ マスター
謝罪? とマスターは首を傾げる
【グングニル】 そなたのことを、 甘く見ていたことについてだ
【グングニル】 今ようやく理解したよ その甘さは、どんなときでも 仲間を信じる強さなのだと
【グングニル】 だから詫びよう、我がマスター そして我に新たな力を 授けてくれたことに、感謝する
そう言って彼女は どこか照れるように微笑むのだった
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