330171212 ヴォータン・獣刻・スレイプニル 我が背に乗る資格ありや
走り去ったヴォータンを追う マスター
木陰で佇んでいる彼女を 見つける
【ヴォータン】 …ねぇマスター 私には誰にも負けない足があるわ
【ヴォータン】 常に最速を目指す、完璧な足よ
【ヴォータン】 なのに お前は主として軟弱すぎるっ
【ヴォータン】 お前が私の主というならば、 威厳があって、 完璧でないといけないわっ
主であるマスターには こうあってほしい、と 高い理想を持っているようだ
どうやらこれは彼女に獣刻された スレイプニルの影響らしい…
確かに完璧ではないけど みんながいるよ、と マスターは真摯な態度で答えた
【ヴォータン】 みんなって…っ! そんな人頼みでどうするの!
【ヴォータン】 本当に上に立つものとして なってないわね…
彼女がそう思った そんなときのこと…
敵襲! という姫達の声が響く
【ヴォータン】 なっ!? 魔獣の群れ…? いつの間に…っ
【ヴォータン】 くっ、このままでは囲まれるわね 私がなんとかするわ
足を猛々しく踏み鳴らす彼女 しかし、マスターはこう告げた
任務直後で隊は疲弊しているし これは急務ではない 防衛に徹してやり過ごそう、と
【ヴォータン】 あんたに主の資格はないわ 私が一人で戦うから、あんたは 勝手にすればいいわ、駄馬め!
彼女はそう言うや否や 脚部ユニットを起動させ、 指示も聞かずに駆け出してしまった
確かに彼女の足は速いが ここは障害物の多い森の中だ
彼女の長所を生かせる とは思えない
マスターは彼女を守るべく 隊へと指示を出した
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