Phantom of the Kill

Story scripts of Phantom of the Kill (ファントム オブ キル)

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3301823 フォルカス クリスマス 聖夜を灯す炎槍

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難なくハルモニア兵を退けた フォルカスとマスター

しかし、フォルカスの顔は 曇っていた

3301811.png 【フォルカス】 …このように、気を抜くとすぐに 戦いは訪れます。だから… 浮かれている場合ではないのです

3301811.png 【フォルカス】 さあ、大きな騒ぎになる前に カリスを探しにいきましょう、 マスター

そう言うフォルカスの顔は 厳しい表情を浮かべている

どこか、思い詰めているような その雰囲気に、何かできないかと マスターは考えていた

そして、 こっちの方を探してみよう、と フォルカスに告げるマスター

3301811.png 【フォルカス】 え、しかしそっちは町外れの方向です …何を考えているんですか、マスター?

案の定渋るフォルカスの手を取り 半ば強引に連れて行くマスター

3301811.png 【フォルカス】 ちょ…待ってください! マスター!!

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目的地にたどり着き マスターがフォルカスの手を離す

3301811.png 【フォルカス】 …っ! 何なのです、突然…

3301811.png 【フォルカス】 いったいどういうことですか? こんなところにカリスがいるとでも?

3301811.png 【フォルカス】 戻りましょう こんなところでハルモニア兵に 囲まれでもしたら…!

3301811.png 【フォルカス】 それに、今この瞬間だってカリスに 危機が訪れている可能性だって あるのですよ!?

きつい口調のフォルカス しかし、マスターはそれを意に介さず スッと指を差し出した

3301811.png 【フォルカス】 …?

マスターの指差した方向を 自然と追いかけるフォルカス そこには…

3301811.png 【フォルカス】 …! これは…!

降り積もった雪の中、街の灯りが 温かく灯っていた

雪の白を基調に、赤、青、緑…と 様々な光を讃えるその様は、さながら 巨大なクリスマスツリーのようだった

その景色の煌めきに、 目を輝かせているフォルカス

3301811.png 【フォルカス】 綺麗…! こんな景色があっただなんて

たまには、こういうのもいいでしょ とマスターは言う

3301811.png 【フォルカス】 はい …ハッ、い、いや、ダメです! このような、油断など…!

たしかに油断は良くないけど 気を張り詰めてばかりも 良くないと思う

こういう息抜きがないと、いつか 潰れてしまいそうで心配なんだ、と マスターはフォルカスに告げる

3301811.png 【フォルカス】 で、でもカリスが…!

カリスなら大丈夫だよ、隊のみんなに 応援に向かうように頼んでおいたから 微笑むマスター

3301811.png 【フォルカス】 …これを、私に見せるために わざわざここへ?

柔らかく頷くマスター フォルカスの表情が和らいだのを見て 先ほどできなかった問いかけをする

どうして、 そんなに焦っているのか、と

3301811.png 【フォルカス】 …焦っているわけでは …いや、たしかに、 焦っていたのかもしれません

3301811.png 【フォルカス】 …不安だったんです 気の緩みや、油断で… 失ってしまうことが

その言葉で合点がいくマスター カリスに対して厳しく当たったのも そのためだったのだ、と

失いたくないが故に、必要以上に 気を張ってしまっていただけなのだ

その言葉を フォルカスの口から聞きたくなり

失うって、何を?と聞いてみたが フォルカスは、 無言のまま話題を切り替えた

3301811.png 【フォルカス】 …それにしても綺麗ですね 心が、洗われていくようです

3301811.png 【フォルカス】 マスターの言う通りでした こう言う時間も、たまには必要です

3301811.png 【フォルカス】 気持ちが満たされると… うまくは言えませんが、活力が 湧いてくるようで…

3301811.png 【フォルカス】 明日からも、頑張ろうという 気持ちになりますね ありがとうございます、マスター

すっかりと焦りや不安の消えた 晴れやかな顔をしているフォルカス

3301811.png 【フォルカス】 …あなたは、いつも私に向き合って くれているのですね

3301811.png 【フォルカス】 自分ですら気づけなかった感情を あなたは見つけてくれた…

3301811.png 【フォルカス】 改めて感謝します、マスター そして、改めてあなたの命を完遂する ことを、ここに誓わせてください…!

フォルカスの、改めての決意 それはマスターとのバイブスが 共鳴した結果の決意であった

その決意の結果 『聖夜を灯す炎槍』 が彼女の心に湧き上がった

フォルカスの目には、 光が灯っていた

新たな決意の光と、 街並みの光が混ざり それは、とても美しい光だった

じっと、フォルカスの顔から 目を外せないでいるマスター

3301811.png 【フォルカス】 あ、あの…マスター? そんなに、見られると… だ、ダメです!

顔を真っ赤にして慌てるフォルカス あまりに綺麗だったから、と マスター

3301811.png 【フォルカス】 き、綺麗など…! そんなことはありません!!

そう言えば、何を失いたくなかったの? 先ほど返ってこなかった問いを 再び投げるマスター

3301811.png 【フォルカス】 !? …な、なんでもありません!

3301811.png 【フォルカス】 さ、さあ、戻りましょうマスター! 早くカリスを探さなければ なりませんし!!

マスターの手を取るフォルカス しかし、それは一瞬のことだった

3301811.png 【フォルカス】 あっ、これは、その! とにかく、戻りましょう!!

フォルカスはスタスタと先へ 行ってしまう その顔は、まだ、赤かった

慌ててそのあとを追いかけるマスター しかし、追いかけてきてくれるという 事実ですら…

今のフォルカスの鼓動を より高鳴らせるには、十分なのだった

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