33032121 ガ・ジャルグ・獣刻・イーリス 至高の存在
マスターの隊に新しい姫が入った
【ガ・ジャルグ】 わたしに出会えたことを、 感謝することね 魔を貫き祓う魔槍ガ・ジャルグ―
【ガ・ジャルグ】 この七色の輝きは、 このわたしが至高の存在で あることの証
完全な姿を得ることが出来たと 言われる虹の女神『イーリス』を 獣刻されており、
自分を完璧な存在だと 思い込んでいる彼女
戦闘に出ても…
【ガ・ジャルグ】 どう?これがわたしの実力 この至高の実力、あなたのために 使ってあげてもいいわよ?
敵を殲滅した時には、 高飛車な態度で接してくる
【ガ・ジャルグ】 すごかったでしょ、マスター? 今日のわたしの活躍ぶり ちゃんと感謝してる?
多少、上から目線だが、 マスターは彼女の実力を褒めるので…
【ガ・ジャルグ】 ふふん、分かればよろしい
【ガ・ジャルグ】 さ、次はどこの戦場? 早く指示を出してよ
彼女もなんだかんだ マスターに付き従っていた
だが、マスターは気づいていた
なにか心配事でもあるの? そう彼女に尋ねてみる
【ガ・ジャルグ】 え?心配事?
【ガ・ジャルグ】 ………
【ガ・ジャルグ】 別に…なにもないけど
彼女が時折見せる 不安と悲しみが入り混じった目
マスターは、それが気に掛かっていた
そんな、ある日…
【ガ・ジャルグ】 そう、知らないならいいの
マスターは、 姫たちになにかを聞き回っている ガ・ジャルグを見つける
どうしたの? 彼女に声を掛けると…
【ガ・ジャルグ】 …!
【ガ・ジャルグ】 ビ、ビックリしたぁ マスターか
なに聞いてたの? と尋ねるマスターに対し、 彼女は…
【ガ・ジャルグ】 ………
【ガ・ジャルグ】 ふん、どうして 答えなきゃならないの?
【ガ・ジャルグ】 この至高の存在であるわたしが、 あなたの問い掛けなんかに
高飛車に返すだけで、 教えてくれようとしない
そこでマスターは…
今日の戦闘も助かったよ、 さすがガ・ジャルグだね …と褒めてみる
【ガ・ジャルグ】 …え?
【ガ・ジャルグ】 そ、そう…?
【ガ・ジャルグ】 ま、当然よね? なんたって、わたしは 至高の存在だから
至高の存在である君のことを もっと知りたいな~ …と、続ける
【ガ・ジャルグ】 そんなに気になるのなら、 教えてあげてもいいわよ?
マスターに上手く乗せられた彼女は、 自ら話し始めるのだった
【ガ・ジャルグ】 探し物をしてたの
なにを探してたの? 尋ねるマスター
【ガ・ジャルグ】 うん、物って言うか…
【ガ・ジャルグ】 妹なんだけどね
【ガ・ジャルグ】 噂で…妹がわたしに 会いたがってるって 聞いたから…
【ガ・ジャルグ】 だったら、こっちから 会いに行ってやろうって思って
お姉さんに会いたいなんて 可愛らしいね…と、マスター
すると、彼女は…
【ガ・ジャルグ】 昔、色々あったからね
【ガ・ジャルグ】 わたしのこと… 憎んでるんじゃない?
そう言った彼女の目には、 いつか見た不安と悲しみが 宿って見えた
どうして? そう尋ねるマスターに対し、 彼女は…
【ガ・ジャルグ】 色々…ひどいこともしちゃったし…
妹さんに悪いと思ってるんだね…? とマスターが尋ねる
【ガ・ジャルグ】 でも……妹は わたしを殺そうとしていると聞いたわ
【ガ・ジャルグ】 だったら…妹といえど、 こちらも叩き潰すまで
【ガ・ジャルグ】 それが七色の輝きを持つ、 至高の存在であるわたしの答えよ
と、槍を取り出す
その目は先程までと打って変わり、 静かな狂気を孕んでいた
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