340082214 オティヌス バレンタイン 魔眼『お菓子な幻影』
バレンタインから数日後
オティヌスとマスターは サイクリングの 約束をしていたのだが…
【オティヌス】 待ち合わせの時間は過ぎたのに、 マスターはどうしたんだろうか… まさか、迷子になったのでは?
オティヌスはマスターが 通りそうな道をたどって、 その姿を探す
【オティヌス】 あれは…マスターじゃないか! なにをしているんだ?
オティヌスが見つけたマスターは 花束を大量に押し付けられていた
しかも花束には 普通の倍以上の値段が書かれている
どうやら、 押しに弱いマスターを騙して 売りつけようとしているようだ
【オティヌス】 まったく… 君って人は仕方がないな… しかし、もう行かねばならないんだ
オティヌスが指を鳴らすと、 花束はすべてカエルに変化し、 あちらこちらへ逃げていく
【オティヌス】 さぁ、今のうちに行くぞ! あたしに、しっかりつかまるんだ!
オティヌスは、マスターを自転車の 後ろに乗せて走り出す
オティヌスは、マスターに抱きつかれ ドキドキする気持ちを抑えながら ペダルを漕ぐ
しばらく走ったあと、高台で 自転車を止めたオティヌスに、 大丈夫?疲れた?と、尋ねるマスター
【オティヌス】 いや…そうじゃない この街並みを見ていてごらん
オティヌスの指した方向を見ると 沈んでいく夕日に照らされて、 街が神秘的な色で輝き始めた
マスターが美しい景色に 感動していると、オティヌスが笑った
【オティヌス】 マジックアワーというやつさ この景色を、君に見せたかったんだ
【オティヌス】 約束の時間に来ない誰かのせいで、 あやうく見逃すところだったよ
そういってからかうオティヌスに、 マスターは申し訳なかったと謝る
【オティヌス】 君があの時、あたしを道具じゃない、 仲間だといってくれたことは忘れない だから、これもそのお礼だよ…
マスターはオティヌスのつぶやきが 聞き取れず、なんて言ったのかを 聞き返す
【オティヌス】 んふふっ… 君を騙して楽しんでいいのは、 あたしだけだって言ったんだよ
マスターは、ひどいなぁと笑い、 オティヌスも一緒になって笑う
【オティヌス】 そのためにも、これからもずっと、 あたしが隣で君を守ってあげよう
【オティヌス】 この新しい力、 魔眼『お菓子な幻影』でね
それは彼女が 新たなるスキルに目覚めた 瞬間だった
【オティヌス】 そうだ…これも新しい技だよ これをこうすると… ほら、色が変わっただろう?
オティヌスの鮮やかな手品に マスターは驚き、喜んでみせた
いつも手品を見せてくれてありがとう オティヌスが仲間でよかったよ と、マスターは笑う
あ、もちろん手品だけじゃないよ と、マスターが苦笑いをすると、 オティヌスは神妙な顔で話し始める
【オティヌス】 マスター… 君には、ずっとそのままの 素直な君でいてほしいな
【オティヌス】 これからもあたしのショウを 楽しんでくれるかい?
マスターは、もちろんだよ!と答える
【オティヌス】 マスターの反応は面白いから いたずらにやり甲斐を感じるからね… これからもよろしく♪
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