350071213 ブリューナク 高貴なる影弾
【ブリューナク】 はっ! …次っ
【ブリューナク】 そこだ!
【トレイセーマ兵】 くっ、うっ…
今までも頼もしいと感じていた ブリューナクの戦いぶりだが 今の戦闘では少し違うものに感じた
冷静さの中に思いが乗るような そんな、熱を帯びた戦い方…
【ブリューナク】 戦闘終了だ 驚かせてしまったか、マスター?
【ブリューナク】 ふぅ…少し熱くなってしまったようだ 狩りとなると、我の中のバルバトスの 血が、獲物を逃すまいと騒ぎ出すのだ
【ブリューナク】 さぁ、あと少しだマスター 我らの旅はどんな終わりを 迎えるのだろうか…
調査を始めた頃より確実に 近づいているブリューナクとの距離
まるで宝探しをするようで 高鳴る気持ちを胸に、マスターたちは 森の奥を目指すのだった
【ブリューナク】 地図によれば この遺跡の辺りのはずだが…
目的地にたどり着いたが これといって変わったものもなく 肩を落とすマスター
【ブリューナク】 落ち込むにはまだ早いぞマスター 財宝が、目立つ場所に置いて あるはずがないだろう?
【ブリューナク】 ふっ…ここは我に任せてほしい ブリューナクに宿る悪魔の血が、 確かに財宝の気配を感じているのだ
そう言うと、彼女は慣れた手つきで 遺跡の一画にあった仕掛けを動かし 隠された小箱を取り出す
【ブリューナク】 ああ、この瞬間だ いつだって宝を手にする その瞬間がたまらない…
ドキドキするマスターを横に、 隠されていた宝をあっさりと 見つけてしまったブリューナク
財宝発見の瞬間に立ち会い、 すごい!と声を上げるマスター そして興味津々な様子で箱を見つめる
【ブリューナク】 はは、焦らずとも 宝は我らの手中だ、マスター どれ、さっそく開けてみよう…
【ブリューナク】 …む、これは…
箱を開けると そこには紙切れが入っていた どうやら、また地図のようだ
【ブリューナク】 …ふふっ、なるほどな 宝はそう簡単には手に入らない ということか
宝が手に入った訳でもないのに 嬉しそうに話すブリューナク
楽しげな彼女の表情に、 マスターも胸の高鳴りを覚え、 また、旅が始まるね、と話す
【ブリューナク】 マスター、それは…
驚いた表情を浮かべるブリューナク 旅は何があるかわからないからこそ 夢がある、と話すマスター
そして、 これがロマンってやつかな? と、笑顔で付け加えるマスター
【ブリューナク】 ……ッ!?
【ブリューナク】 …ああ…マスター ふふ…そうか、 そうだったのだな
【ブリューナク】 ブリューナクの目に狂いはなかった 今目の前にあるマスターの表情 それは、ロマンを求める者の顔だ
【ブリューナク】 財宝を得ることは素晴らしいが それを求める旅路にこそロマンがある
【ブリューナク】 それを知っているとは… マスターもまたブリューナクと同じ ロマンを追い求める者だったのだな
マスターとの繋がりを強く感じた ブリューナクに力が宿っていく
そのとき…
【トレイセーマ兵】 見つけたぞ!
突如、木の陰から 兵士が姿を現した
【トレイセーマ兵】 泳がせておいて、宝の在処を 探させる策は当たりだったようだな!
【ブリューナク】 ふっ…いや、 外れも外れ、大外れだよ、 愚か者どもよ
ブリューナクはそう言うと 身に宿したばかりの力を解放し 兵士たちを蹂躙する
【ブリューナク】 叫べ獰猛なる銃声よ これがブリューナクの新たなる力 『高貴なる影弾』だ
【トレイセーマ兵】 ぐ、ぐあああああああっ!
【ブリューナク】 ふっ… 財宝とは勝者への褒美 お前たちには不相応の品だ
そう呟くと、戦闘で乱れた 手袋を直しながら、マスターに 向き直るブリューナク
【ブリューナク】 困難が多いほど旅は面白い どうやら、マスターとの旅路は ロマンに溢れていそうだな
【ブリューナク】 我らの旅はここでは終わらない そうだろう?
ブリューナクの投げかけに、 目を輝かせて頷くマスター
【ブリューナク】 ふっ…いい目だ さぁ、行こうかマスター
【ブリューナク】 まだ見ぬロマンを求め、 新たな舞台へ!
そうマスターに告げるブリューナク ふたりの間にはもう距離などなかった
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