350172211 グリモワール・獣刻・ニーズヘッグ 噂のサンタクロース
舞い散る雪が地面を白く化粧して 赤と緑の装飾が寄り添い合う 冬のお祭り、クリスマス
一年に一度の大きなイベントに マスターの隊の姫たちは 楽しそうに準備を始めている
しかし、その中で 険しい顔をした姫がひとり…
【グリモワール】 …クリスマス?なにそれ? 興味ないし、面倒くさいわ キミたちで勝手にやれば?
そう言って、立ち去ってしまう 無理強いすることでもないので 放っておくことにするマスター
クリスマス当日
【グリモワール】 ……なによ?
そこには、 クリスマスの衣装に身を包む グリモワールが立っていた
【グリモワール】 べ、別に、これは楽しみとか そういうんじゃなくて…
【グリモワール】 ほら、言うでしょ! 郷に入っては郷に従えって 他国の文化に触れるいい機会だから
あれからクリスマスのことを調べ、 色々と文献を見ているうちに すっかりハマってしまったようだ
【グリモワール】 でぇ! そんなことより、マスター! 一つ、理解できないことがあるわ
【グリモワール】 飾りつけをしてパーティを開く これは理解できるのよ …だって楽しそうだし
【グリモワール】 だけど、こいつ! こいつのことは理解できないわ!
そう言って、一冊の本を出してくる 開かれたページには 赤い衣装に白い髭の男が載っていた
【グリモワール】 夜、子供が寝ている間に プレゼントを置きにくる しかも、世界中の子供によ
【グリモワール】 そんな大変なことをしても 別に莫大な報酬が出るわけでも ないみたいだし…
【グリモワール】 信じられないわ そんなことをして、 なんのメリットがあるのよ?
なるほど…、と考え込むマスター 彼女は隊に入ってから 随分と性格が穏やかになった
だが、それでもまだ どこか他人と距離を 置いているところがある
これはいい機会だと思い、 マスターは彼女の手を握る
【グリモワール】 え!? なに?なんなの?
わからないなら、直接聞いてみよう そう言って、顔を真っ赤にしている グリモワールを連れて、街へと向かう
【グリモワール】 でぇ?どこまで行く気よ?
毎年、クリスマスにこの街では 大人達がお金を出し合って 子供達にプレゼントを用意する
そして、クリスマス当日に サンタクロースの格好をして プレゼントを配るのだ
そのサンタ役の人に、 グリモワールを合わせようと ある場所に着いたときだった
【ハルモニア兵】 何をしているのですか? …その恰好も怪しいですね 来てもらいましょう
赤い服を着た白ヒゲの男が ハルモニア兵たちに囲まれている
【グリモワール】 ふーん… サンタって、子供だけじゃなくて 兵士にもプレゼントを渡すのね
いや、違うよ! 連れていかれてる!助けないと そういって兵士の方へ向かうマスター
【グリモワール】 わ、わかってるわ!冗談よ! って、待ちなさい、マスター キミひとりじゃ、無理でしょ!
グリモワールも慌てて マスターの後を追うのだった
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