350271211 神令フライシュッツ 郷愁への陶酔
【フライシュッツ】
節操ないんだね
ある大規模な戦闘後 慌ただしく右往左往するマスター
負傷者の為に 治療可能な斬ル姫を連れにアッチへ
部隊の再編の為 待機している姫たちへ 声をかけにコッチへ…
体育座りでソレを眺め 呟くフライシュッツ・神令・フリッグ 隊に来て数日、その隣には誰もいない
【フライシュッツ】
わずらわしいと思ったことはない？
繋がりが増えすぎて
【フライシュッツ】
全てに
目が届かなくなっていくことは？
予想したことない？
質問の意図がわからず 足を止め、戸惑うマスター
【フライシュッツ】
バイブスが
いたずらに繋がりを拡げて
マスターくんを振り回して…
【フライシュッツ】
バイブスの与える“感情”が
斬ル姫たちを、競争とか
争いに縛り付けてる
【フライシュッツ】
…呪い、みたい。そんなの
マスターへの憐みなのか 呆れなのか フライシュッツは視線を逸らす
バイブスで皆の力を 借りていることは確か 呪いだというならそうなのかも
だけど呪われた運命だとしても 信じていれば変えていけるはず と話すマスター
【フライシュッツ】
だから変えたんだ
お姉さんを
頷くマスター
【フライシュッツ】
だから奪ったんだ
お姉さんの居場所を
目が覚めるような冷たい笑み 銃口を間近に突きつけられたような ヒヤリとした感覚
いや…比喩ではない
【フライシュッツ】
わたしが信じていたのは
コマンドキラーズの皆だけだったのに
フライシュッツの ビット型魔弾がピタリと マスターのこめかみを狙っていた
【フライシュッツ】
他の繋がりなんて要らなかった
執着し、信仰を尽くしていた コマンドキラーズと離れて以来 彼女の精神は不安定なままだった
【フライシュッツ】
ましてやマスターくんとなんて
バイブスの繋がりゆえ マスターへ思うように反抗が出来ず それでも彼女は憤りを隠せない
【フライシュッツ】
どうして
お姉さんの隣には誰もいないの？
【フライシュッツ】
コマンドキラーズの
皆の命令はいつ？
【フライシュッツ】
ここはどこ…？
わたしが帰る場所はどこ？
『陶酔』を司るコマンドキラーズ フライシュッツは 酩酊したようにふらふらと立ち上がる
言葉がないマスター
【フライシュッツ】
…お姉さん
もう、酔い潰れちゃいたいな
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