350322211 ティファレト・聖鎖・ミカエル 賀正ver. 過去へ馳せる思い
【ティファレト】
フリソデ…というのは
不思議なものですね
【ティファレト】
決して戦うのに
適した服装ではないのですが
なんとも気が引き締まります
お正月特有の浮ついたような けれど厳かな雰囲気のなか ティファレトは言う
【ティファレト】
新年を迎えるということは
とても…素晴らしいことですね
素晴らしい、という割には ティファレトの少し固い表情に 違和感を覚えるマスター
【ティファレト】
ああ、申し訳ありません
私にとってこの時期は
少々特別な思いがありまして…
マスターはティファレトに 話してみて、と促す
【ティファレト】
私が教皇であった頃の
話になるのですが…
【ティファレト】
新年を迎えるということは
教皇として国の民を１年間、無事に
導くことができたという確認…
【ティファレト】
それと同時に新たな１年へ向けて
改めて気を引き締める
そういうものだったのです
【ティファレト】
言葉にすれば
いいことのように感じられますが
その重圧はすさまじいものでした
【ティファレト】
自分は間違っていなかった
この先も間違えないようにしよう
そのことばかり考えていたのです…
ティファレトは 遠くを見つめその頃のことを 思い出しているかのようだった
【ティファレト】
民を無事に導けたこと
そこに喜びはありました
【ティファレト】
しかし教皇としての私は諸手を挙げて
民に対しての一年の息災を
喜ぶことはできませんでした
【ティファレト】
…と、いうのも過去の話
今は主様のもとで、ただの斬ル姫
として新年を迎えられます
【ティファレト】
このように新しい衣装も
用意していただけましたし
ティファレトは そう言ってにこりと笑うが ふと、また表情を曇らせる
【ティファレト】
…けれど、民を導くことが
できなかったという過ちは
なかったことにできませんよね
ティファレトは どうしても教皇であった頃のことが 気がかりなのだろう
それは彼女の優しさであり 誰かのためであろうとするという 強さにも繋がっているのだろう
しかし、後悔が 原動力というのはあまりにも悲しい 何かできないかと考えるマスター
【ティファレト】
主様…
今の私に何かできることは
あるのでしょうか？
その意味は違えど ティファレトも 同じことを考えていたようだ
ティファレトは 以前マスターの指示に従い 自分の意志を見せなかった
そんなティファレトが 何かできることはないかと 相談してくれた
何か…と考え込むマスター
【ティファレト】
あの…主様？
どうなされましたか？
私が何か…
今のティファレトにできること… それは初詣、かな マスターはそう告げる
【ティファレト】
は、初詣ですか？
呆気にとられるティファレトを連れ マスターは初詣へ向けて出発する
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