350361214 サンジョウノ・春姫 ウチデノコヅチ
【春姫】 皆様お疲れではありませんか? 休息も戦いのうち しっかりと休まれてください
相変わらず甲斐甲斐しく 姫達の世話をする春姫
【春姫】 マスター様もですよ? 皆様への気配りも大事ですが 貴方様が倒れられては元も子も…
春姫の母性を感じさせるまでの その甲斐甲斐しさはマスターにまで 向けられるのだが…
【春姫】 …………
時折、こうして マスターのほうを見て ボーっとする時があるのだ
しかし、マスターが心配して 話しかけようとすると…
【春姫】 あ、ああ、すみません いけませんね、気が緩んでおりました
こうしてすぐに なんでもない風を装うのだが マスターとしては気がかりだ
【春姫】 い、いえ 本当になんでもないのです
どこかよそよそしい春姫 マスターは何かあると思い 本当に何もないの?とさらに問う
【春姫】 う、うぅ… そんな目で見つめられては… 正直に白状いたします
春姫のかわいらしい悩みに 思わず笑みがこぼれてしまうマスター
【春姫】 わ、笑わないでください わたくしにとっては 大真面目な問題で…
ごめんごめん と謝るマスター
春姫の悩み それは英雄のように感じた マスターに対して
疑問に思うことが 増えたことらしい
【春姫】 失礼なことを言っているのは 重々承知しているのですが…
【春姫】 戦いの中だけではない 普段の生活の中では、その… マスター様はあまりにも普通というか
そりゃそうだ という感想を持つマスター
戦いの中でも隊の姫達に 助けてもらってばかりだし 英雄なんかじゃない、とマスター
【春姫】 それを英雄ではないと言うのは 違う、とわたくしは思うのです
どういうこと? とマスターは春姫に問う
【春姫】 はい…それでですね そんな風に思うようになってから マスター様をつぶさに観察しまして…
【春姫】 わかったことがある というと偉そうですが 気付いたことがあるのです
春姫が自分を見ていたのは そういうことか、と 気付くマスター
【春姫】 マスター様が斬ル姫の皆様と 接される際の態度や仕草 その優しさは素晴らしいものです
【春姫】 そしてそれが皆様とマスター様 お互いの信頼に繋がって行くのだと わたくしは感じたのです
急に褒められて むず痒いものを感じるマスター
【春姫】 そう…そのような反応もまた マスター様は「普通」なのです だから、そういうものなのだな、と
何か得心したような春姫に どういうことなの? とマスターは聞く
【春姫】 英雄が英雄譚というお話に 書かれるような人物であったとして その方にも日常はあった…
【春姫】 英雄が英雄として 常に過ごしていた訳ではない
【春姫】 仲間とともに語らい、笑い 時には涙する、そんな普通の 日常があったのでは、と思うのです
自分のことを言われるのは なんとも恥ずかしいけれど 春姫の言うことはわかる、とマスター
【春姫】 はい、そしてわたくしは もうひとつ思ったのです
【春姫】 そんな英雄らしくない部分を 見せてくださる仲間として わたくしを選んでくださったこと…
【春姫】 そのことをとても嬉しく思います
春姫は真剣な表情で マスターに向き直す
【春姫】 たとえこの世界を離れる日が 来たとしても、わたくしは マスター様のことを語り継ぎます
【春姫】 マスター様という英雄と 過ごした日々…その英雄譚を
春姫の想いにバイブスが高まり 『ウチデノコヅチ』 としてその身に現れる
【春姫】 この想い、高鳴りが 力となるのですね…
【春姫】 マスター様と過ごす中で わたくしは強くなれる気がします
【春姫】 そんなわたくしの想いのこもった 英雄譚、いつの日にかマスター様に 披露できるといいのですが…
自分の話をされるなんて 恥ずかしいと思うマスター
【春姫】 そうだ、題をつけないといけません どうしましょう…
楽しそうに悩む春姫を見ると 自分の恥ずかしさなんて 些細なことだな、と思うマスター
【春姫】 ふふっ、どうするにせよ マスター様のことをおそばでもっと 観察しないといけませんね
嬉しそうに微笑む春姫に 自身も嬉しくなってしまうマスター
マスターと春姫の英雄譚は どのような物語になるのだろうか…
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