360031211 テュルソス・D. plug・フォルネウス 掌の中の世界
マスターの隊では任務を終えたあと、 夕食を兼ねた宴会が開かれていた
【テュルソス】 あれ、もうグラスが空いちゃった… 次はこの果実酒にしようかな ねぇ、君も飲んでみる?
宴会の中心には、テュルソスがいた お酒が好きで明るい彼女のまわりに 自然とキル姫が集まっていく
【テュルソス】 この果実酒は私が仕入れたもので、 お店では売ってないんだ 気に入ったのなら分けてあげるよ
テュルソスには 独自のルートがあるらしく、 いろいろなものを仕入れてくる
【テュルソス】 ほかにも欲しいものがあれば 相談してみてよ タダってわけにはいかないけど…ね
【テュルソス】 もちろん、それ以外の相談も いつでも受け付けてるよ?
彼女は趣味で相談屋もやっていて、 姫たちはテュルソスに相談すると いつも気が晴れると話していた
姫同士の仲が良いのは嬉しいことだが マスターとしては相談されることが 減り、寂しく思うこともある
【テュルソス】 マスター、暗い顔してどうしたの? 悩みがあるなら、 相談に乗ってあげよっか?
テュルソスにそう話しかけられ、 いや、なんでもないよ と、マスターはつとめて明るく答える
悩みの元(?)であるテュルソスに 相談するわけにはいかない
すると、テュルソスは マスターの対面に座り、 にんまりと笑う
【テュルソス】 ふふっ… 君ってば、隠し事が下手だねぇ 全部、顔に出ちゃってるけど…
マスターが動揺して固まると、 テュルソスは楽しそうに笑い出す
【テュルソス】 ふふふっ、冗談だって そんなに警戒しないでよ …君は退屈しないなぁ
テュルソスにからかわれたとわかり、 マスターは顔を赤くする
マスターは知らないが、 テュルソスが受ける相談の内容は、 ほとんどマスターに関するものだ
マスターの役に立てているかという 真面目な悩みから、マスターを独占し たいが邪魔が多いというグチもあった
テュルソスはみんなの相談を通じて、 隊の姫たちがマスターを信頼し、 慕っていることを知ったのだ
【テュルソス】 私は仲間だし、新参者だから マスターには言いにくいことも 話しやすいってだけ…
【テュルソス】 だから、君が悩む必要はないよ マスターが暗い顔をしてたら、 みんな心配するよ?
驚いた顔のマスターを見つめ 楽しそうに笑うティルソス
【テュルソス】 ふふっ… どうしてわかったんだって顔だね? 言ったでしょ、顔に出ちゃってるって
テュルソスにはかなわないな と、マスターは頭をかく
こんな自分と一緒に戦ってくれて 感謝している
だから、僕もみんなの力に なれればいいんだけど と、マスターは話す
【テュルソス】 そうだね、君は優しいから…
【テュルソス】 私もさ、もちろん 頼りにされるのは嬉しいよ でもね、なんだか物足りないんだ
どこか寂し気な瞳をした テュルソスに、物足りない? と、聞き返すマスター
【テュルソス】 ううん、何でもない
【テュルソス】 …さて、今夜はそろそろお開きかな 私は部屋に戻るよ あとはマスター、お願いね?
マスターが部屋を見回すと、 テュルソスに酔い潰された姫たちが、 あちらこちらで眠りこけている
【テュルソス】 あ、そうそう 忘れるところだった はい、これ
そういうと、テュルソスは 1つの小瓶をマスターに差し出す
【テュルソス】 酔い醒ましの薬 明日も任務があるからね みんなに飲ませてあげてよ
【テュルソス】 二日酔いで戦えないと困るからね 私も任務には同行するけど あくまで相談役…
【テュルソス】 いつも通り、戦闘での働きには 期待しないでね?
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