40181202 ヨミ 『骸骨ソウルイーター』
【ヨミ】 く……っ! 倒すだけなら なんでもないのに!
【ヨミ】 ボク独りでやるには 数が多すぎるんだよ! もうっ!
【ヨミ】 でも! 一匹も通さない!
だからこそ、ヨミは駆ける 街を縦横に走り、人々の元に向かう 異族を狩っていく
それでも、手が足りない 間に合わせようとして次第に動きが 大きくなり、隙が生まれ
【異族】 グギギ!!
【ヨミ】 しまっ…!
【ヨミ】 マスター!?
青ざめ、駆け寄ろうとするヨミ だがマスターはそれを静止し 彼女へと言葉を送る
選択肢:
- 今夜は、キレイな満月だ → select_label_01へ
- 空を見て! → select_label_02へ
- キミの時間だ、ヨミ → select_label_03へ
青ざめ、駆け寄ろうとするヨミ だがマスターはそれを静止し 彼女へと言葉を送る
select_label_01:
【ヨミ】 え?
select_label_02:
【ヨミ】 空、を?
select_label_03:
【ヨミ】 ああ、そっか…
select_label_end:
マスターの声に空を見上げ ヨミが驚きに目を見張る
すでに夕の刻は過ぎ— 夜の帳が世界を閉ざしはじめていた
【ヨミ】 ふ、ふふっ、 ああ、そうだねマスター
【ヨミ】 夜の暗闘こそ 闇の眷属たるボクの真骨頂だ
【ヨミ】 さあ、ボクの真の力 魅せてあげるよ!
【ヨミ】 さあ、これで終局だね!
そこからは まさにヨミの独壇場だった
闇が踊り 敵を喰らい 駆逐していく
異族すらもが恐怖するかのような 闇の中、ヨミだけがただひとり 不敵に力強く舞い続けた
【ヨミ】 ふぅ……これで終わりだ
【ヨミ】 そうだ、マスター! ソチ、怪我は!?
【ヨミ】 ソチは無茶をし過ぎだ! 折よく夜にならなければ どうなっていたか!
気色ばむヨミに、マスターは 笑顔で答える
【ヨミ】 関係ない…? でも、ボクの調子が戻ったのは 夜になったからで…
驚くヨミに、マスターは告げる 今のが、自分がいつも知っている ヨミの実力だと
さっきまではただ 少し自信を失っていただけ
本来のヨミならば あの程度の敵に後れを取るはずは なかったのだと。
【ヨミ】 それで、時間稼ぎを? そうすれば、勝てると信じて…
【ヨミ】 そうか、ソチはボクが自分を 見失っている間も ボクを信じてくれてたのか
驚きと、嬉しさと いくつもの感情がないまぜになった 表情でヨミが笑う
【ヨミ】 ならボクも、信じてみるよ ソチが信じてくれたボク自身を
言って、ヨミが胸に手を当てる そこから不思議な輝きが生まれ そして背後の闇へと吸い込まれていく
それこそが、彼女が新たなスキル 『骸骨ソウルイーター』 に覚醒した瞬間
【ヨミ】 ソチのくれたこの光が ボクという闇を確かにする
【ヨミ】 もはや昼夜の別はなく ソチがボクを信じる限り ボクの闇の力が衰えることはない
【ヨミ】 …それはそうと
【ヨミ】 今日、ボクは結構頑張ったんだ だからその、ほら!
【ヨミ】 ソチはマスターとして、その ボクを褒める義務というか 権利というか…
【ヨミ】 そういうのが、あると思うんだけど?
そう言って、 ヨミはどこか期待するような顔で マスターを見上げてくる
【ヨミ】 さあ、マスター!
つい先程まで、厳粛で 神々しいまでの雰囲気を まとっていたヨミだが
一転して朗らかで 無邪気な乙女の顔になっていた
その変わりように驚きながらも それも彼女のありようだと すっと納得できたのだった…
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