Phantom of the Kill

Story scripts of Phantom of the Kill (ファントム オブ キル)

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510232212 アスカロン・D. plug・レヴィアタン 慶賀に映る嫉妬の共鏡

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買い出しから戻ると アスカロンは 早速作業へと取り掛かる

5102321.png 【アスカロン】 まずは会場の飾りつけからですね 承知しました!

5102321.png 【アスカロン】 あの、こちらの分は全部 完成しましたので、そちらの残りを 渡してもらってもいいですか?

誰もが目を疑う速さで次々と 作業をこなしていくアスカロン

最終的には八割の装飾品を造り上げ 飾りつけも彼女が終わらせてしまう

5102321.png 【アスカロン】 あっ、その荷物私が運びますよ ですので、あっちに置いてある 小さいものをお願いしていいですか?

5102321.png 【アスカロン】 大丈夫です!私こう見えても 結構力持ちなんですよ?

飾りつけが終わると 今度は荷物の搬入で 率先して重いものを運んでいく

5102321.png 【アスカロン】 それ、私が手伝いますよ!

5102321.png 【アスカロン】 何かお困りのことは ありますか?

5102321.png 【アスカロン】 はい! これくらい任せてください!

あっちにアスカロン こっちにもアスカロン 彼女を見かけない者はいなくなり

もしかして彼女の真の能力は 分身することでは…

などという噂が 立ったとか立たなかったとか…

しかしこれはアスカロンのための パーティーの準備だ

アスカロンが頑張り過ぎるのも おかしいと、マスターは 買い出しに出ようと提案した

5102321.png 【アスカロン】 もう一度買い出しへ? わかりました、今度は 不足がでないようにしましょう

新たな仕事だと アスカロンは即答する

だがこれは彼女を休憩に 誘う口実だった

5102321.png 【アスカロン】 そうと決まれば出発しましょう! こんなところで遅れを取っていては いけませんから!

すんなりと聞き入れてくれた アスカロンと一緒に マスターは街へと繰り出す

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5102321.png 【アスカロン】 さぁ、着きましたよ! どこのお店から行きますか?

5102321.png 【アスカロン】 まずは昼食、ですか… そういえばもうそんな時間でしたね それなら早いところ向かいましょうか

作戦開始

まずは昼食を二人で食べ ここからは彼女と遊び回る計画を 実行していくマスター…

5102321.png 【アスカロン】 美味しかったですね 最近出来たお店のようですね 覚えておきましょう

5102321.png 【アスカロン】 腹ごしらえも済んだことですし 今度こそお買い物に行きま… えっ、次は食後のデザートですか?

5102321.png 【アスカロン】 早く戻った方が… え?ヨーグルトが美味しい 出店を発見したんですか!?

5102321.png 【アスカロン】 ううっ…い、行きましょう… でも!そしたらすぐに買い出しに 戻りますからね!

計画は順調。マスターは 彼女の好みを既に調査済みである

5102321.png 【アスカロン】 はぁ…っ!美味しかったなぁ… 私も自分であそこまでの味を 再現できるかな…

5102321.png 【アスカロン】 あの味はきっと普段使ってる私の 牛乳よりやや濃い目のもの… だとすると話題の特産牛乳があれば…

5102321.png 【アスカロン】 あっ!あれってもしかして… 最近出来たと噂のお菓子作り専門の お店…あそこなら私の欲しい…

5102321.png 【アスカロン】 って、違う違う… 忘れるところでした…

5102321.png 【アスカロン】 気を取り直して、今度こそ 買い出しに行きますよ!

うまく彼女の趣向にあった店まで 誘導することは出来たものの

5102321.png 【アスカロン】 …それではただの休憩になります 買い出しを済ませないと!

アスカロンはすぐに我に帰り 仕事をしようとする

マスターは諦めずその店へ 入りたくなるような誘惑を 彼女に囁くが…

5102321.png 【アスカロン】 …ちょっと待ってください お気持ちは嬉しいのですが 先ほどから目的外のことをしすぎです

5102321.png 【アスカロン】 なにか違う目的があるのですか?

図星を突かれて 思わず黙してしまうマスター

5102321.png 【アスカロン】 …なぜこんなことを? もしかして、 私を会場から遠ざけたいのですか?

問い詰められ、マスターは アスカロンを休ませるためと 告白する

5102321.png 【アスカロン】 私が頑張りすぎって… それが私のしたいことなんです 休憩なんかしなくても…

アスカロンの気持ちはわかるが 頑張りすぎは良くないと、マスター

5102321.png 【アスカロン】 そんな…気遣いは無用です… 私は…

5102321.png 【アスカロン】 私は周りより頑張って、努力して そうしてあなたに… 認められたいんです!

5102321.png 【アスカロン】 だから、私は誰よりも 貢献しないといけないんですっ!

5102321.png 【アスカロン】 それをするなと言うのですか?

新たな力と引き換えに アスカロンは嫉妬に 囚われてしまった

今、その嫉妬の向き先は マスターだった

マスター以上に 皆から認められたい そういう衝動が少なからずある

それ故に、身を削ってまで献身的に 動き続けてしまう

それはアスカロン自身の根源でもあり それを否定されることは 彼女自身の否定にも見える

アスカロンは怒りとも悲しみとも つかない感情を吐露する

マスターはアスカロンの あり方を否定しているのではない そう説明する

5102321.png 【アスカロン】 違う…って 何が違うんですか…

必死に努力する姿も 素晴らしいものだと思う だが…

アスカロンが純粋に笑顔で 何かを楽しんでいる姿も 可愛いし、それを見ていたい

まっすぐ彼女を見据えて マスターはそう伝える

5102321.png 【アスカロン】 はっ、はい?

今みたいに怒ったり、笑ったり 落ち込んだり、感情豊かな君を もっと見せてほしい、とも…

5102321.png 【アスカロン】 き、急に何を 言い出すんですか!

5102321.png 【アスカロン】 可愛いとか…そ、そういうの 迂闊に言う言葉じゃありませんよ! からかわないでください!

耳まで真っ赤にして照れる アスカロンはあたふたと 手をばたつかせる

いつのまにかアスカロンの 表情から険しさが抜けていく 切羽詰まった様子がなくなる

意図した形とは違うが 彼女の笑顔を引き出せた

そのことに満足して 赤面するアスカロンを マスターは笑顔で見つめた

5102321.png 【アスカロン】 あぁ…もう! 何を笑ってるんですか!

アスカロンも自分の心が 軽くなっていたことに気づく

ただそれを素直に認めるのも 照れくさく、アスカロンは 余計に文句を言うのだった

だが、心の内では これからはこんな時間を 大切にしよう、そう思うのだった

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