510232213 アスカロン・D. plug・レヴィアタン 解罪『祝福する羨望』
そして、パーティーは開かれる アスカロンが尽力してくれたおかげか 予定よりも豪華な会場で催された
そして違う意図があるんじゃないかと 疑いを持っていたアスカロンだが すっかりそのことを忘れていた
これは絶好のチャンス
マスターは隠してあった くす玉を出し、 彼女の目の前で盛大に披露する
【アスカロン】
え…っ？これって
私の入隊記念…に
ってことですか？
【アスカロン】
…ぷっ
あはははは！
そういうことだったんですね！
【アスカロン】
何か怪しいなとは
思っていたんですけど、まさか
私の為だったとは…
そして、先日連れ出した時 マスターは彼女の目を盗んで、 とあるプレゼントを買っていた
そのプレゼントを 笑っているアスカロンに手渡す
【アスカロン】
プレゼントまで！？
いつのまに…
【アスカロン】
あっ、これって最新の調理器具セット
しかも特産牛乳も…
彼女の反応を見て さすがに情緒がなさ過ぎたかと 不安になるが…
【アスカロン】
ふふっ、贈り物を貰って
嬉しくないなんてありませんから
【アスカロン】
それがマスターからのものとなれば
なおさらです
嘘じゃありませんよ？
【アスカロン】
今度、マスターには世界一美味しい
ヨーグルト、作ってあげますね？
楽しみにしていてください
プレゼントも渡し終え 今度こそ本当の宴が幕を切る
アスカロンも隊の仲間と談笑しながら このひと時を楽しんでいた
そんな中 マスターが彼女に声をかける
【アスカロン】
あぁマスター
今日は、本当にありがとうございます
マスターが主導だって聞きましたよ？
【アスカロン】
私のような未熟者の
入隊記念を祝おうなんて
あなたは変わり者です
【アスカロン】
…ふふっ、冗談ですよ
本当はすごくうれしかったです
二人は宴に興じる他の皆を眺めながら 他愛のない会話をしていた …すると、彼女からある告白を受ける
【アスカロン】
私は今の自分のことを
認められなかったんです
【アスカロン】
だから…限界まで、いえ限界以上に
頑張ろうとしていました
【アスカロン】
でも、周りのみんなは
私が認められない私をとっくに
認めて受け入れてくれてました
【アスカロン】
そのことに私は気づかず
いえ、気づいていても
受け入れることができなくて…
【アスカロン】
ちゃんと認めさせようって
無茶をして、張り切って
周りに心配ばかり…
【アスカロン】
でも、これからはやめます
仲間のことをもっと信じて…
【アスカロン】
仲間が認めた自分を
受け入れようって…
アスカロンは照れくさそうに 微笑んでから、真剣な口調になる
【アスカロン】
…努力ではなく信頼すること
それが私には足りなかったんです
ふとマスターは前から感じていた 疑問を口にする
【アスカロン】
どうしてあんなに頑張るか
…ですか？
【アスカロン】
それは
あなたに嫉妬していたからです
【アスカロン】
あなたのその人望、行動力、才能
人と人との繋がり、色んなものを
持っているあなたが妬ましかった
【アスカロン】
私もマスターのように
みんなに認めて
もらいたかったんです
【アスカロン】
それと同時に私は惹かれていました
そんなあなたになりたい
超えてみたいって…
アスカロン自身の行動理由が 嫉妬だと、それには納得した マスターだったが
アスカロンに向かい 自分は嫉妬される人間ではないと マスターは告げる
むしろ自分はアスカロンのように 戦うことも、強靱な意志力で 努力を続けることもできない
逆にアスカロンのことを 羨ましいと思っていたと、吐露する
【アスカロン】
そ、そうだったんですか…
全然気づきませんでした…
【アスカロン】
まさかマスターが私に
嫉妬していたなんて…
【アスカロン】
うふっ、あはははっ！
そうだったんですね、ふふっ
じゃあ私達…
【アスカロン】
似た者同士、ですね？
私、マスターと共通点が持てて
嬉しいです
【アスカロン】
それなら、似た者同士
お互いに嫉妬しあえるように
【アスカロン】
これからも、傍にいさせてください
【アスカロン】
約束…ですから
少女の囁きに マスターも静かに頷いた
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