520012212 イージス・冥令・ヘル 理想の隊長像
マスターに、 自身の想いを語るイージス
【イージス】 今日まで、 『隊長』の代わりを務めるという 強い思いを胸に戦ってきた
【イージス】 だが、隊の姫達を 引っ張っているのは私ではない
【イージス】 紛れもなく、あなただ
【イージス】 あなたという心強い存在があるから、 姫達は皆安心して戦えている
【イージス】 この隊において、 あなたこそが真の『隊長』なのだ
【イージス】 それに比べて私は……
【イージス】 理想の隊長像を演じているだけで、 本物には程遠い未熟者
【イージス】 こんな私を…… 誰も認めてくれない 付いてきてくれるはずもない……
そう言って、 沈んだ表情を見せる彼女
そんなことないよ―― マスターがそう言おうと思った、 その時――
『なに言ってんのよ!?』
【イージス】 !?
イージスの後ろから、 大きな声が聞こえてきた
【イージス】 ………
振り返る彼女 すると、そこには……
【イージス】 あっ……!!
隊の姫達が、 勢揃いして立っていた
【イージス】 み、皆…… どうして……?
勝手にパーティを抜け出した私を 責めに来たのだろうか…? 不安な顔を見せるイージス
だが――
『迎えに来たに 決まってるじゃない!』 と、姫達は笑顔を見せた
【イージス】 !!
【イージス】 わ、私を……?
姫達は言う 確かにイージスは、『隊長』としては 優秀じゃないかも知れない
【イージス】 ……そう…だよね
でも…… あなたは最強の盾であるという 矜持を持っている!
これまで幾度となく、 私達の盾となり その窮地を救ってきてくれた
仲間を守ろうとする責任感は、 他の誰よりも強い!
【イージス】 ……
そんなあなたに、私達は…… とても感謝している だから……
さっきはよそよそしくしてゴメンね サプライズでお祝いしたかったの ……と姫達は彼女に謝罪する
【イージス】 え? ……お祝い? なんの……?
素っ頓狂な反応を見せる彼女に、 マスターは言う
今日は君の…… 入隊記念日でしょ?と
【イージス】 ……あ!
次の瞬間、 姫達がケーキを出して、 こう言った
これがパーティの もう一つの目的だった
『おめでとう!』 『いつも、皆を 守ってくれてありがとう!』
『イージスがいてくれるから、 とても心強いわ!』
『私達は皆、安心して あなたに背中を任せられるよ!』
『これからもよろしくね!!』 と
【イージス】 ほ……本当に……?
姫達の温かい言葉に、 涙ぐむイージス
そんな彼女に、マスターが尋ねる こういう時の台本は無かったのかな?
【イージス】 うぅ……
【イージス】 うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!
ただただ子供のように 泣きじゃくるイージス
そんな彼女を、 姫達は温かく抱き締めた
【イージス】 そんなにも…私のことを 思ってくれてたなんて……
【イージス】 ありがとう……! 私もう…… くよくよしないよ
【イージス】 皆が…いてくれるから
姫達の言葉に、 自信を取り戻したイージス
その心の変化が、 彼女に新たな力を与えていた
そんな彼女にマスターは尋ねる というわけで君のこと、 これからも頼りにしていいかな?
【イージス】 ……!
【イージス】 ………
涙を拭い、 勇ましい表情に 戻した彼女
毅然とした態度で、 マスターにこう答える
【イージス】 それは……こっちのセリフだ いつも、私のことを気に掛けてくれて ……感謝する
【イージス】 本当に…… 貴様のことは信頼している これからも頼むぞ
凛々しい笑顔を見せる彼女
その瞳は、マスターへの 信頼感で満ちていた
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